●設計事務所の役割
1)設計事務所の役割
・ 施主の立場に立って、建築の専門家として助言し、契約によって施主の代理として働きます。
・ 施主と共に考え助言しながら、あなた方のOnly Oneを見つけ出します。
・ 施主の要望と生まれる提案を盛り込みながら、設計図(仕様書)をまとめます。
・ 建築確認申請等の建築物を建設する際に必要な法的申請を施主の代理で行います。
・ 施主が工事施工業者と交わす工事請負契約に第3者として関わり、設計図に基づき施工者に見積って頂き、
予算に合った内容で施工できる施工者選定の業務を代行します。
・ 設計図の仕様に沿って施工され品質を保っているか施工監理をします。
工種別毎に仕様の確認と工事完了状況の確認をします。
未確定の仕様を確定したり、施主の変更要望を調整したりします。
また、法的な中間検査・完了検査の立会いと、建物引渡し前の竣工検査を実施します。
・ 設計者は施主の代理として、施主の要望を具体的な形にする為に、打ち合わせばかりでなく、
イメージ゙を伝達するためのパースや模型を作成し、要望と提案の正確な伝達と施工者が正確な
工事費を算出できるように、設計図書(設計図)を作成します。
細部にわたり仕様や寸法を表示し、手順や工法品質を確保できるように表記します。
設計図書は施主の希望要望を施工者に伝達する為の翻訳資料ともいえます。
これが正確でなければ、比較も検討も出来ません。
そういう意味でも設計行為及び設計図(設計図書)は大変重要なものです。
それを省いてよい建物が出来るはずがありません。
また、建築は多くの協力者のもと、皆さんの協力で作られています。
設計図に基づいて正確に建設されているかどうかを監理することも設計者の役割です。
監理なくして正確に造られているかどうかの確認は出来ません。
第3者の立場での監理の重要性がお分かりいただけますでしょうか?
2)設計事務所はあなたや地域の潤滑油の様なものです
・ 自分や自分達家族は家庭の中で或は地域の中で互いに責任を持って関わり合って生きている
訳ですから、成功或は失敗といった結果のみを重視するのでなく、対話して(コミュニケーション)
意見をまとめていく過程(プロセス)を大切にして、臨機応変な柔軟な対応と世界に通じる価値観の
育成を考えなくてはならないのではないでしょうか。
そうやって養われた価値観は地域の歴史や地産のものから新たな産業や生活様式を生みやがて文化や
伝統に繋がって行くように思っています。(大きな話になってしまいました。)
・ 住宅は本来家族のもので、公共建築は地域のものであるはずなのに、現在の住宅や公共建築を考えると、
家族や地域の人々の意識とかなりずれを生じているようです。
最大の原因は対話(コミュニケーション)と過程(プロセス)が抜けているからでしょう。
・ 設計という行為は対話(コミュニケーション)であり、建築という行為は過程(プロセス)です。
別な言い方で、現状はどうかとか どうしたら良いかとかを話し合い方向性を見つけ出す作業が設計です。
色々な意見を伺いながら意見をまとめて、結果としての資料が設計図です。
その設計図に基づいて順番に作られていく過程が建築です。
それらをコーディネーションするのが設計者の役割です。
設計図を書くことはその一部の行為に過ぎません。
住宅と住み手(家族)、公共建築と住民(地域)をつなぐ潤滑油のような役割を設計者(建築家)が担っていくことになります。
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