●住まいづくり誰としますか?
設計事務所・工務店・ハウスメーカー・・どこと始めよう
■ 一体何が違うのでしょうか?
それぞれ特徴があります。ここでは、それぞれの果たす役割に注目してみます。
1)工務店
● 大工さんよりも一時に多くの仕事を受注して効率よく職人を使って住宅等を作る集団として誕生した会社です。
今では多くの大工さんも、工務店の一員(契約や下請)となっています。
設計者を抱えている工務店もありますが、施工(作ること)が専門の会社と言えます。
大工さんも工務店も間取りから工事までをやります。
<設計者=施工者> 設計(間取り)をする人と施工をする人が同じ利害関係です。
2)住宅メーカー(ハウスメーカー)
● 工務店と同様、設計から施工までを一挙に引き受けます。営業担当方が設計者(図面を描く人)と現場を管理する
人の調整をお客様の代わりにします。
<設計者=施工者> ここでも設計者と施工者は同じ利害関係です。(同じ会社の仲間)
● メーカー毎にオリジナルな工法や材料を開発提案しているところもあります。基本は大量生産・大量消費に適合する
建材で建物を構成して合理的な設計と施工で価格をおさえ?、広告宣伝等の営業経費などを上乗せして販売
している訳です。
上記の広告宣伝費や営業経費などを一切かけないで、建材を使って大量に仕入れて作ったら価格はいくらくらいに
なるのでしょうね。・・・それを実践しているところがあります。
それは、埼玉県民共済の県民共済住宅です。HPを検索してみてください。
3)設計事務所(建築家)。
● 設計事務所の話をする前に設計とはどのような業務なのでしょうか?お客さんから依頼を受け計画案を作るのは、
工務店も住宅メーカーも設計事務所も同じように感じますよね。
・家族構成にあわせた間取りによる平面計画図の作成
・予算に合わせたタイプの選択あるいは面積の決定
・仕様によるクレード選び(厨房、浴室、設備、等々)
お客さんの要望を聞いて、作成された5・6枚の図面と予算書を設計といい、確認申請を
取って工事着工して出来上がって設計料は無料ですとしたら、設計事務所は必要ありません。
● 設計事務所はお客さんと設計監理契約をして、お客さんの予算を有効に使う為に、お客さんの代理として働きます。
図面を描くという業務は設計業務の一部でしかありません。
・要望を伺いながら創造力と経験を働かせあなたの生活環境に合った住いを計画します
〔土地の持っている条件・家族の持っている条件・将来の可能性や対応をどのようにするか整理して提案させて
頂きます。これらを総合してデザインすると考えています。〕
様々な条件を予算に合わせる為、詳細な仕様や寸法形状・工法を指定します。
(これを設計図書といいます=設計図)
・予算通りに施工してくれる施工業者を選定します。数社から見積もりを取りますが、この時に詳細な設計図が
無いと基準がないのと同じで見積の比較ができません。
(これを競争入札といいます。)
・施工業者が決まり工事契約が完了したらいよいよ着工です。施工者が設計図の仕様通りに施工をしているか
監理したり、詳細な設計図でも表現しきれない現場での質問疑問に答えたり、工事途中でのお客さんの要望を
伝えたり、仕様変更による見積増減を調整したり、施工状態を検査したりします。
(これを監理といいます。正にお客さんの代理として働くわけです。)
● 工事完了して引渡しが終わりお住まいなってからも、瑕疵の期間の1年検査、2年目の検査とお付き合いは続きます。
4)大切な考え方・・設計者と施工者の分離
■ 公共建築(事業)が設計者と施工者が別なのは、設計と施工が同じですと不正が起き易い為に、それを防止する
意味合いで分離して、設計者が施工者を監理する仕組みにしているのです。
■ 住宅の計画と建設も同じことが言えるのではないでしょうか。
お客さんは設計事務所と設計・監理契約を結び、施工者と工事請負契約を結び設計と施工を分離する。
ご自分の財産を守るのに保険を掛けるのと同じように、設計者に設計料を払うことは保険に入るのと同じです。
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