南アルプスの家 甲斐の曲がり家−V
山梨の気候に合った家づくりの手法の一つとして、曲り家(L型平面の家)を提案いたします。
配置計画
整形の平坦な敷地に約30坪の平屋の家を提案するに当たり、敷地利用を兼ねて、4案提案させて頂きました。
その4案の中から、『4つの庭のある家』の案を選んで頂きました。h型を横に倒したような平面計画案です。
廊下の無い案で、東西南北にそれぞれ違った特徴の庭を考えています。庭づくりは息子さんにお任せです。
敷地の周囲の状況に適応し、、敷地の特徴を活かし建物と気持ち良い関係を築く、室内と室外の繋がりが、住まい手を元気にし、庭へと誘い季節の花を室内に飾ったりすることで、長く愛される住まいなっていく様な気がします。
すでに一度家づくりをされて、その時は南に隣地がある土地で初めは日当たりが良かったけれど、しばらくして隣地に住宅が建設されたとたんに、庭への日当たりが悪くなり、庭づくりも庭に出るのもつまらなくなってやめてしまったと言う経験から、南入りで道路がある土地を新たに求められ、その土地で住宅を設計事務所に依頼して設計してもらう事を今度は希望されて、縁あってご指名頂いたものです。
土地の周囲の状況も、計画に当然大きな影響をもたらしますから、どのように将来変化して行くか、ある程度予想して対応しておくことも必要です。しかしながらあまり気にしすぎても、大切な今の状況を見誤ることにもなりかねないので注意が必要です。
模 型
隣地との関係を模型で検証
外観
L型に折れ曲がった外観、東向きの玄関と、南向きの食堂 東向きの板の間、西の庭が向こうに見える。
夫婦と造園会社にお勤めの息子さんの3人暮らしです。ご主人は家の工房で貴金属のデザインと製作をお仕事としていて、奥さんはお勤めしています。一番家に長く居るご主人にとって 、刺激的でありながら落ち着いて仕事のできる場所とはどんな処か考えを巡らせていて思ったのは、日常の変化を気づかせてくれる住まいが良いのではないか?と言う事です。庭に開けていて四季の変化を感じ、差し込む太陽の光の動きを感じることで一日の変化を感じられる。雨の日は雨垂れを楽しめて、風が吹けば木々の動きから風の強さを感じ、小鳥たちや昆虫などがやってくる植物が育てられる環境と心のゆとりが生まれ、それらをたのしめる。家族みんなで楽しみたくなる。
そのような発想から出てきたデザインです。
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