M16 Part2
MGC XM177 M725 M733 M4A1 , マルシン XM177E2 , マルイ CAR-15


Part2では、プラ製M16‐2〜5の概略と私の好きなショーティーについてのページになります。

では続きの概略からはじめましょう。

@ 1982年11月ABS製でリニューアルされたM16A1。これがM16‐2シリーズとなり、刻印はM603サード・タイプになっていたそうだ。ニューM16は内部までリアルになったが、マルシンがリアルな金属を出していた時代に、シナる感じのあるプラ製M16というのは商品として優位性が低かったらしくパッとはしなっかたようだ。
1983年3月にはM655カービンが加わったが、マルシン製が良く出来ていたためか、MGC製XM177系を待っていたマニアも多かったと思われるのにラインナップされなかった。この時点でショーティー系に力を入れていたら、もう少し人気のあるモデルになっていたかもしれない。

A 1988年には、M16‐2をベースにA2タイプを展開し、第1号としてエアソフトガン化されたM16A2カービンM723を発売し、このシリーズがM16‐3シリーズになった。
M16-3シリーズには、レシーバーのタイプで、A2タイプ1(Newリアサイト&ケース・ディフレクター付)、A2タイプ2(A1タイプのリアサイト&ケース・ディフレクター付)、A2タイプ3(A1と同じレシーバー)の3つに分類され、A2タイプ2とA2タイプ3が商品化されたが、一番標準のA2タイプ1は発売されなかった。
A2の3バースト機構も開発済みという記事もあり出すことは可能だったらしいが・・・。
結局少数の限定品を除き、A1レシーバーを使ったA2タイプのエアガン(初期型M733をはじめバリエーション数種)とケース・ディフレクター付A1タイプのレシーバーを持つM725HW(エアガン/モデルガン)が発売されただけだった。

上より元祖ショーティー、CAR‐15 SMG(M607A)(軍用名GX‐5857)東京マルイ電動ガン、モデルガンは出
ていない、多分! エアガンゆえグリップ、機関部等アレンジされサイズは太りぎみだ。刻印も手抜き。トリガー
位置がモデルガンと目立つ違いだろう。
中写真、MGC M16A1ウェポン・システム/エアフォース・バージョン・シリーズ(M16‐5)の一つ陸軍のXM177
E1の空軍版ということでXM177になっていた。コルト名はM610、ようするにボルト・フォワードアシストがないだ
け、もちろんモデルガンの方である。
下写真、マルシンの傑作XM177E2(M629) 金属モデルガン ガス・バイパス付きキットモデル、キットゆえ20
連マガジン、プラ製サプレッサーだった。M655は絶版なのか?最近は見ない、30連マグも同様。
実銃ではトレーサー弾の発光不良からE1の10inから1.5inバレルを延長し11.5inにし、グレネードランチャーに
も対応したもの。

B 1989年11月エアガンのM655カービンを先発にM16A1ウェポン・システム/アーミー・バージョン・シリーズをM16‐4シリーズとして発売した。

C 1990年4月M16A1ウェポン・システム/エアフォース・バージョン・シリーズのM16‐5シリーズも展開した。

BとCはエアガンとモデルガンの両方がラインナップされ、それぞれ7種類のバリエーション・モデルで構成されていた。因みに、値段はモデルガン22000円、エアガン24000円という一律のものだった。

1990年12月にはHW、ミルコート、A1初期型1967年モデルと同じ72577から始るシリアルナンバーが再現されたM16A1ブラック・ライフル(モデルガン29000円)もBのM16-4シリーズに加わえられた。
ただ、せっかく初期バットプレートや可動スイベル、サプレッサーを装着しても、マガジンキャッチのリブやフォワードアシストのない典型的初期型M602ではなくM603の初期型というものだった。
臆測だがこのモデルになった理由を推察してみると、引退した金属A1がリアルでなかった点を修正し、本来の姿にしたのがブラック・ライフルだとしたら、MGCにとっては特別な意味があったのかもしれない。

モデルガン派の人達はブラック・ライフルやM725についてはそれなりに評価していた思われるが、特にCのエアフォース・バージョンは首を傾げた商品ラインだったようだ。
後に店頭で半額程度で叩き売りされていたことから、失敗の経営戦略だったのだろう。
エアガンのM16ではJACガスガンやマルイの電動ガンが注目され、比較的低パワーのMGCは苦戦していた。タイミングや時流を外したMGCにこの頃から暗雲が垂れ込めていたのかもしれない。

M16‐5シリーズ・エアフォース・バージョンXM177 (M610) ABS製、フロントサイト周りはM16‐2系と同じ金
属製。二度と作られないと思われ、今では貴重品かもしれない。
MGCM725はモデルガン最初のA2系だったが、ホビーフィックスのM4A1(M921)やA4が出るまでこれしかなか
った。写真はタイトー・ブランドの再販M725、表面はHW樹脂そのままで灰色なのが淋しい。
M733コマンド A2レシーバーが今頃になって登場、MGC M725と同じフロントサイトやサプレッサーを含めて
銃本体はヘビー・ウェイト樹脂製で、フレームも強化されたタイプ。
最新のM4A1(M921) R.I.S.バージョン M4A1にCAWモスキート・モールドのリス組み込みとバーチカル・フォ
アグリップを付属させたもの、脱着式のキャリングハンドルは金属製で全体の質感を高めている。
こうしてアッパー・レシーバーを見ると写真にはないA1タイプを入れるとバリエーション5種が完成しているのが理
解できる。

さて話は飛んで、2006年3月MGC上野店も閉店しMGCが事実上なくなったのは記憶に新しい。
生産工場だった新日本模型(現在「新日本模型・MGC」)からかつてのM16‐3シリーズのA2タイプ1に分類されるM16のモデルガンが遅咲きのあだ花のように散発的に新しく出てきた。キャリングハンドルを分離するM4A1(M921)は当初の想定外のシリーズだろう・・・M16-6シリーズとかM16-3シリーズのA2タイプ4とかいうのかも?
考えてみれば、東京マルイのM4A1カービン初期型は1999年に発売され一世を風靡するブームに、その後もR.I.S.付き、ナイツSR16 M4、S-システムと続き、去年初期型を最新版にリニューアルしたぐらいだから、タイムリーとは全く言えない存在だ。
タイトーから欠番になっていたM725モデルガンの再販があったものの、最近までMGC新型はなしのつぶてだった。ところが2004年8月になると新型のM4A1カービン(M921)が登場し、2005年5月M4ショートバレル、2006年9月コルトM733コマンドー、10月M4A1R.I.S.バージョンと増殖中。この新型達のケースディフレクターの形はM725より明らかに良い形をしている。
もっともA1のロータリーボルトまで再現したディスプレー金属モデルガン(9万近くした)を出していたホビーフィックスからもM4A1は既に発売されていて、2001年にはナイツの本物R.I.S.とフォアグリップを装着したM4が少数発売されていた。かなり高額だった覚えがあるので、新日本模型・MGCには感謝ということだろう。
MGCの場合、アッパー・フレームはほぼ網羅/初期型を除いてロア・フレームも揃ったM16系を色々リリース出来る現状があるのに金型が売りに出されていることを考えると、もったいない気がする。

そうは言っても最近のモデルガンは限定発売が常識化し買い逃すと後悔しそうだ。それでも昨今の状況下でモデルガンも頑張って下さいと言いたい。
かつてはM725なんてアブダビの代用品くらいに思ったが、今となるとレアものに見えてくるのは不思議なものだ。
Part3はM16四方山話に続きます。GO!!
MGC M725のチラシ
モデルガン初のA2バージョンとある。完成品26000円、キット19500円だった。

RISの取り付けは、前方はネジとアシストブロックによってハンドガードキャップに押し付け固定、後方はデルタ・ハン
ドガード・リングのキリカキとそこにはまる部品があり、キリカキにはめこんで固定している。
取り付け自体はタイトで全くガタ付きはないが、荒っぽくフォアグリップだけで持つことを繰り返すと強度的に不安が
なくもない。ハンドガード・リングは前方に出すぎて、内部のスプリングが見えてしまっている点が気になる。
RISの部品は別売はないそうだ。ハンドガードキャップは専用か? 自分で加工しての取り付けは苦労しそう・・

参考文献:床井雅美著「M16&ストーナーズ・ライフル」
GUN誌1981年10月号、1979年月号
MGCカタログ1992
ソニー・サイバー・ショットT9使用
作成日2007年1月