ミクロペット 初代 ブルーバード


初代セドリックに続き今回は、初代ブルーバードであり、やはり、初期のフリクション・モデル(ミクロペット F-2)である。

ところで、この初代は、幸福をもたらすクルマとして「ブルーバード」と命名され、310系と言われた。当初「スノーバード」というネーミングが候補だったらしいが、アメリカのスラング(麻薬常習者を意味した)を考慮しブルーバードになったそうだ。
日産の小型車の系譜は1955年3月発売の直列4気筒サイドバブルの860cc
エンジン搭載のダットサン110を戦後の礎として、1957年ダットサン1000(210型)に発展し、1959年7月に310系ブルーバードが誕生したのだった。以降トヨペット・コロナとライバル関係となり、後に抜きつ抜れつの激しいBC戦争を演じたのは有名な話である。初代ブルーバード時代はコロナに先行したが410系時代は販売数で負け、1967年8月発売の510系で首位を奪回した。
この初代はテールランプの形から通称「柿の種」ともいわれた。

当時新開発の1200ccのE型エンジンと1000ccのC型エンジンを搭載し、流行であった2トーンカラーを設定し、1961年2月には女性仕様のファンシーデラックスを設定し当時としてはとてもファッショナブルな乗用車でもあった。


さて、セドリックもこのブルーバードも金メッキ仕様だが、「国産ミニチュアカー考古学」という本を参考文献にすると、この初代ブルーバードは、「1961年6月発売で通常塗装が170円、F-2-Gの金メッキ仕様が190円だった」とある。
そして、ホイール・タイプは、この本の分類でいう最も初期のAタイプ(ホイールキャップ風車軸の見えないタイプ)であった。

実車のマイナーチェンジに合わせて金型を変えてミニカーも変更することがあり、このブルーバードもグリル、テールランプを61年型(312型)にした2nd・モデルが存在したそうだ。
私のは、59年型の1st・モデルである。

310型系は、60年7月に既にモデルペットでも発売していた。
今回のミクロペット・フリクションだけでなく、1963年6月発売のチェリカ・フェニックス・スリーズ(PHE-22)にも310型はラインナップされており、実車が63年9月に410型にモデルチェンジした結果僅かな期間で絶版となったため、入手困難品の一つになっているそうである。


大盛屋のミクロペットは
1965年に消滅後、米沢玩具鰍ェ金型を引き取り「Diapet」として再スタートし、最近はアガツマというところにダイヤペット・ブランドが引き継がれて現在も健在だ。



ミクロペット No2 初代ブルーバード310型 雰囲気は良く出ている。
前身のダットサン1000 210型とフロントマスクは似ているかも。

ホイールは、最初期の車軸の見えないホイールキャップ風のものだ。金メッキ仕様も通常塗装より高い
ことから特別バージョンなのだろう。

ハズミ車で勢いよく走らせることが出来た。


大盛屋のロゴ
フレンド・エンジェル
箱はカラーリングを含めて当時の雰囲気
タップリでレトロです。一見当時のフィルム
のパッケージといった雰囲気。
反対側


実車ブルーバード310型のサービス・マニュアル、
紙も粗末だし、時代を感じる。
1963年9月に、2代目となる410系ダット
サンブルーバードが登場。

更に付加えると、実車初代ブルーバードは、20万台を超える大ヒットとなり、63年に2代目の410型にバトンタッチされたのは前述のとおりだ。
410型は日産車として初めてモノコック構造のボディを採用し、デザインはイタリアの鬼才、ピニンファリーナが手がけたもので、個人的にはこっちの方が好みだ。
310型は、前身ともいえるダットサン1000のイメージがあるからか?

自動車工業振興会発行の「自動車ガイドブック第10巻1963-64」によると「ダットサン ブルーバード1200 ファンシーデラックスDP410-L」は、ご婦人用に作られた世界唯一の車、アクセサリーとして傘立、買物バック、化粧セット等の36点の装備とある。
白いボディに赤い内装とメッキのバンパー、モール類との相乗効果で日本車らしくない派手さがあった。そして、値段も682000円と高めの設定をしていた。
誉めてはみたが、410型は当時不人気でパッとしなかったようだ・・・。

モデルペット、ミクロペット(チェリカ・フェニックス・シリーズ)、ダイヤペットにも410型は存在した。

2004年、トミカよりリミテッド・ヴィンテージ・シリーズがはじまりその中に初代ブルーバードが含まれており、トミカらしく小さいながらヘッドライトの微妙なカーブ等いい感じだ。トヨペット・コロナより出来が良いかも? 
おまけに、1000ccと1200ccの違いもバンパーやフォッグランプで違えているのが嬉しいところ。


トミカのリミテッド・ヴィンテージ・シリーズの初代ブルーバード。
タイヤが太過ぎという以外小さい割によく特徴を捉えている。
1000ccと1200ccとでは、フォッグが付いていたりしてマスクにも変化があり、高いだけのことはある。

最近のブルーバードのミニカー達
参考文献:「国産ミニチュアカー考古学」ネコ・パブリッシング
国産名車コレクションVol. 17、
「自動車ガイドブック第10巻1963-64」自動車工業振興会
作成日2004年11月
編集2005年2月