
|
ミクロペット 初代 セドリック
|
前回1959年に国産最初のダイキャスト製ミニカー・ブランドとして登場したアサヒ玩具のモデルペットに続き、1961年大盛屋酒井通玩具から二番手に出されたミクロペットである。
資料本として「国産ミニチュアカー考古学」を参考に今回もレポートしてみたい。
ミクロペットは、創生期の日本製ミニカーとしてモデルペットと共に双璧をなすブランドで、モデルペットより早く1965年には生産を終了した。
「カタログでのラインは、初期のフリクションモデル(16種)とチェリカフェニック・シリーズ(52種)の68種が基本モデルとしてある」と書かれている。
ミクロペットは、モデルペットのダイキャスト製法と違って古くからあったアンチモニを使って作られたため、柔らかい素材のゆえ非常に壊れやすく現存率が少なくモデルペット以上にマニアの間で珍重されていものだ。ものによっては、オークションで100万円以上になったりすることがある。
今回の初代ダットサン・セドリック金メッキ仕様は、ミクロペット・フリクションの中でもNo5と初期のモデルである。
この本によると「ミクロペットの最初期のフリクション・モデルは1961年〜1962年にかけて19番までラインナップされていて3番、4番、16番の3つが欠番になっている」そうである。
また、疑問に思っていた金メッキ仕様も用意されていてカタログ・ナンバーはF-5-Gと思われ、通常塗装は180円、金メッキ仕様は200円であった。
そして、「タイヤのホイールによって3種に分けられ、まずAタイプ(最も古いホイール・キャップ風の車軸の見えないもの)、次にBタイプ(板金製のキャップで車軸の見えるもの)、最後にCタイプ(ホワイト・リボン・タイヤのように白い板金ツバがあるもの)がある」と書かれている。
そして、私の所有タイプは、この分類によるとBタイプのようだ。
セドリック本文キャプションでは、「AとCタイプは確認されているが、Bタイプもあると思われる」となっており、ここに金メッキ仕様にBタイプのあることを存在証明出来たと考える。
また、「セドリックにもマイナーチェンジ版もあり1stと2ndに分けられ、フロント・グリルが62年型に変更されているものもある」という。
私のは61年6月発売の初期型1stと同じタイプのようだ。
金メッキ仕様の1st・タイプでホイールはBタイプのということになるので、少し遅れた発売ということになるのか?。
このような金型変更というのもあるとするとコレクターは、嬉しい(本当は苦悶の)悲鳴を上げることになるだろう。68種といっても分類はもっと細分化するのは明らかだからだ。ミニカーも奥が深い。
|
 |
MICROPET No5 DATSAN Cedric 1960年に登場した初代セドリック(30型)の
縦目初期型 金鍍金仕様。1/47 フリクションモデルである。 |
 |
 |
ルーフはエブロのようなアレンジになっていないので厚みは仕方がないが、重厚感は十分。 |
 |
 |
このセドリックは全くの新品状態で残っていた。本体は白い薄い紙と茶封筒のような紙の2重に
包まれていた。この箱からは赤いセドリックが出てくると思いますね。 |
|
実車のセドリック(30型)は、オースティンとの技術提携により、これに代わる中型乗用車として60年4月にデビューし、縦4灯のヘッドランプとフロントガラスが回り込んだスタイリングが初期型の特徴であった。
当時はまだグロリアはセドリックとの姉妹車ではなく、1500系のスカイラインの主要コンポーネンツを流用して、59年にすでにデビューしていた。71年のフルモデルチェンジからは日産を代表する高級姉妹車として最近まで存在した。
ちなみに、車名の「セドリック」は小公子の名にちなんだものだ。
30型セドリックでも縦型ヘッドライトの初期型は、このミクロペットとモデルペットのものがあり、最近ではエブロの精密ミニカー、04年1月にはトミカでもリミテッド・ヴィンテージ・シリーズとして、「もしもトミカ誕生前にトミカが存在したらどんなモデルを出したでしょう」という企画がはじまり、第一弾が初代セドリックだった。
|
|
エブロ 日産セドリック 30型 (1960)
 |
ボディはセダンに黒・赤・茶の3色あり、ワゴン・タイプにグリーンとレッドの2色があった。
全て屋根はホワイトの2トーンになっていた。 |
 |
|
|
トミーテック 日産セドリック (LV‐01a〜f)
 |
トミ−テックからも04年トミカ・リミッテッド・ヴィンテージ・シリーズの第一号に選ばれた。
第二弾として発売された色違い(LV-01c)とタクシー仕様(LV-01d)
第一弾のアイボリー(LV-01b)と茶色(LV-01a)は既にプレミア付きの入手困難品とか? |
 |
その後第一弾と同じ茶(LV-01e)とアイボリー(LV-01f)が出たが、内装は色違いになっていた。 |
|
|
ノレブ 日産セドリック1900カスタム
 |
 |
国産名車コレクションVol.23
1/43 レノブ社のミニチュアカー付き雑誌
この車は1960年発売だが、ミニカーは61年型ベースに作った
と但し書きがあった。 |
日産名車コレクションVol.8
1/43 レノブ社のミニチュアカー付き雑誌
右雑誌の後期に発行されたものの色違いバージョン |
|
|
トミーテック ニッサン セドリック −100品番達成記念−
 |
04年トミカ・リミッテッド・ヴィンテージ・シリーズの第一号が発売されてから100アイテム達成を記念して、2011年
1月に手作業で磨き上げクリアーコート仕上げをした特別モデルが出た。
個体差の大きそうなモデル、箱は記念プレートが入った特装版になっている。
|
|
|
参考文献:「国産ミニチュアカー考古学」ネコ・パブリッシング
国産名車コレクションVol.23顔説 |
作成日2004年4月
最終編集2011年2月 |

|