身体をつくる栄養素
子どもたちは何度か病気を経験して、徐々に免疫系を確立させていきます。
とはいうものの、病気を未然に防ぐことも重要です。そのためには、食生活をバランスのいいものにしなくてはなりません。昨今は、偏った食事になりがちなジャンクフード、手軽に食べれるコンビニフードなどが、子どもたちにこのまれているようです。このような食生活で、必ず不足する栄養素がありますが、その1つに亜鉛があげられます。亜鉛は、免疫系に関与している栄養素でもあります。そのため、病気を未然に防ぐという点からも、重要な栄養素であるわけです。
味覚障害、そして発育不全を引き起こす
亜鉛不足は、味覚障害も引き起こすといわれています。味覚障害になれば、食欲がなくなり、自然と食事の摂取量が減ります。
その他、亜鉛はタンパク質をつくりだす核酸の合成にも関与しています。亜鉛が不足すると、身体を構成するタンパク質の合成能力が低下することになります。タンパク質の合成能力が低下すれば、皮膚などの新陳代謝にも影響が及びます。そのようなことからも、亜鉛不足の子は発育がよくないといわれています。
このように、亜鉛は身体のさまざまなところで活躍し、成長、健康維持に貢献しているのです。ですから、日々の食生活のなかで亜鉛を摂取することも意識したいですね。
かき(貝)は亜鉛摂取に優れた食べもの
亜鉛は一般的に煮干しやかき(貝)などの動物性食品に多く含まれています。
かきは亜鉛を多く含む食品で、1粒で約7mg含まれています。そのため、1、2粒食べれば、子どもの亜鉛必要量を十分に満たすことができます。また、動物性タンパク質が亜鉛の吸収を助けてくれることから、そのまま食べるだけでも十分です。お料理では、かきのおろし和え、かきのクリームスープ、水たきなどもいいですね。食品に含まれる亜鉛は、ビタミン類と違って、調理によって分解されるということはありませんが、煮汁を捨てる料理の場合、その分だけ失われるので注意してください。また、かき以外に、手軽に亜鉛を摂取する方法として、煮干しをおやつ代わりにしてもいいでしょう。
守り、育てよう「子どもの味覚」
「食生活がキレやすい子どもを育てる」という意見、聞いたことがありますよね。それは、本当なのでしょうか?
栄養バランスと心のバランス
食生活の乱れには、朝食抜きなど不規則な食事時間、栄養の偏り(塩分の摂りすぎや野菜不足)などがあります。
朝食は、睡眠中に使ったエネルギーを補給する大切な食事です。
脳のエネルギー源であるブドウ糖は、長い時間蓄えておくことができません。夕食が8時として、朝食抜きでは、昼食まで16時間以上も間が空いてしまいます。脳は寝ている間も、起きている時と同じエネルギーを消費するので、朝食を抜くと、もっとも頭が働くといわれる午前中に脳へのエネルギー供給がストップするというダメージを与えることになります。
そのため、朝食をとらないと、たとえ知能が高くても、授業が理解できない、イライラしたりすぐカッとなる、ストレスに弱くなるなどの影響があるといわれています。
栄養の偏り、糖分のとり過ぎによる「低血糖症」が、キレる原因とされています。
人間の脳は、ブドウ糖をエネルギー源にしています。血液に含まれるブドウ糖の量を血糖値といい、食後は血糖値が上がり、空腹になるにつれ下がってきます。
米飯などは、血糖値の上昇・下降がゆるやかですが、ジュースやおやつの場合は、それが急激になります。これは、脳のブドウ糖補給が急に増えたり減ったりするため、感情や行動をコントロールできなくなってしまう、というのです。
子どもがキレない食事とは
「これを食べていればキレない」という万能のメニューはありません。ただ、ビタミンB群やカルシウム、マグネシウム、鉄分が不足すると、精神的に不安定になったり、集中力が低下したりする、ということはいえます。
これらを補うためには、魚、肉、レバー、緑黄色野菜、豆類、牛乳、卵、小魚、ひじきなどを積極的にメニューに取り入れましょう。
また、食事の内容だけでなく、食べるときの雰囲気も、子どもに大きな影響を与えることが分かっています。「家族でにぎやかに食事した楽しい思い出」は、子どもの心のよりどころとなり、精神的な落ち着きをもたらすのです。
コラム
子どもと作りたいレシピ オープンサンド
サンドイッチ用のパン、チーズ、スライスしたトマト、スクランブルエッグ、ハム、レタス、レバーペーストなど、あり合わせの材料を用意し、各自、好きなように重ねていただきます。どの食べ物を組み合わせたら、味、栄養、見た目がよくなるのか、センスの見せ所です。一緒に食べながら、食べもののことや栄養のことを話し合いましょう。
参考資料
・「ちいさいおおきいつよいよわい」22号 ジャパンマシニスト
・「キレない子どもを作る食事と食べ方」 今村光一 主婦の友社