
皆川議員
私は、自民党・県民クラブを代表して、今定例会に提出されました案件並びに県政全般について質問いたします。
さきの東日本大震災に続き、福島原子力発電所事故と、我が国は戦後最大の難局を迎えていると言っても過言ではありません。
震災発生から三カ月余を経過しましたが、本県においても、震災の影響による経済の停滞は、ようやく回復の兆しが見えるようになったとのことであります。
我が国が震災前の姿に戻るには、まだまだ時間を要するものと思われますが、一日も早い復興と事態の収束を切に願ってやみません。
そこで思い起こされるのが、後藤新平であります。
後藤は、関東大震災直後の第二次山本内閣において、帝都復興院総裁として震災復興計画を立案しました。この復興計画は欧米の先進都市の区画整理をモデルにしたものとされ、被災地の全面的な区画整理を行い、広大な街路により類焼を防ぎ、公園を配し避難場所を確保するなど、「復旧」ではなく「復興」をせよと、災害に強い都市づくりを目指したのでありました。
後藤みずからの手による復興はかないませんでしたが、その後、後藤とともに計画を立案した復興局と東京市とにより事業が進められ、昭和通り、明治通りといった道路や墨田公園など、また、現在の表参道ヒルズの前身の鉄筋コンクリート集合住宅などに後藤のアイデアを見ることができます。
「金を残すは下、仕事を残すは中、人を残すは上」なる後藤新平の言葉があります。まさに後藤の政治哲学が凝縮された一言であります。
奇しくも、今回の被災地、岩手県奥州市に生まれ、関東大震災の復興に立ち向かった後藤の志が受け継がれ、実を結んだわけであります。
本県を未来に向かって大きく飛躍させたい、この気持ちは横内知事も私たちも全く同じであります。先人の政治哲学に学び、横内知事とともに私たち自民党・県民クラブは、暮らしやすさ日本一の県づくりを目指してまいります。
さて、現在、真の分権型社会の実現に向けて、地方議会の果たす役割はますます重要になってきています。
その役割の一つとして挙げられるのが、議会改革の着実な推進であります。これまでも、議会としての監視機能や政策立案機能の強化など、さまざまな改革に取り組んできたところであります。
浅川議長におかれましては、これまでの議会改革の流れを受け継ぎ、さらなる議会改革に取り組むため、多くの議員が制定の意向を示している議会基本条例の制定を目指していく決意を表明されました。
私たち自民党・県民クラブも、議長の議会改革に対する熱意を受けとめ、ともに協力してまいる所存であります。
そして、二期目を迎えた横内知事の県政発展に向けた明確なビジョンと実現力を大いに期待しまして、以下質問に入ります。
まず、六月補正予算編成の基本的な考え方と当面の財政運営について、お尋ねいたします。
本年度の本県財政は、実質県税収入については、昨年度当初予算に比べ百四億円余り増加して九百四十四億円余を計上しているものの、歳出面において、介護保険関係経費、高齢者医療費などの社会保険関係費や公債費など義務的経費の増加が避けられず、当初予算編成段階で、六十五億円の基金の取り崩しを余儀なくされる厳しい状況であると承知しております。
また、県内景気は、先般発表された日本銀行甲府支店の金融経済概観において、「震災の影響により引き続き弱いながらも、足元では持ち直しの兆しも見られている」とされておりますが、四月の有効求人倍率は前月より○・○四ポイント低下し、○・五九倍となるなど、まだまだ厳しい状況も続いております。
こうした厳しい経済・財政状況の中で、横内県政二期目の実質的なスタートとなる肉づけの補正予算が編成されました。
県内は今、震災後の観光客の著しい減少や買い控えなど消費者心理の悪化を招き、さまざまな形で東日本大震災の影響を受けており、県の早急な対策が求められております。
また、被災地の惨状を目にするにつけ、東海地震を初めとする大規模地震や富士山噴火など、本県が抱えるリスクに対し、一刻も早く的確な対応をとる必要性を感じずにはいられません。
さらには、知事が二期目のマニフェストに掲げた暮らしやすさ日本一の山梨づくり実現に向け、山梨発展の芽につながる施策・事業の展開に、県民が大きな期待を寄せているところでもあります。
これらの当面の県政課題に積極的に対応していくことを期待する一方で、財政の硬直化を回避し、将来にわたって持続可能な財政運営の確保を図っていくことも、極めて重要であります。
知事は、これまで県債等残高の削減に腐心されてこられ、一期目には、行政改革大綱に定めた目標を大きく上回る削減をなし遂げられたところでありますが、今後も引き続き、財政の健全化への積極的な取り組みが求められております。
そこで、震災後の県内対策や今後の山梨発展のための施策について、六月補正予算ではどのような考え方で編成を行ったのか。あわせて、当面の財政運営をどのように行っていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。
次に、リニア新駅の設置場所についてお尋ねいたします。
これまで「夢の」というまくら言葉がついていたリニア中央新幹線から、「夢」がとれ、とうとう現実のものとなりました。
昭和四十八年に基本計画路線として決定されて以来三十八年、また、本県がリニア中央新幹線建設促進期成同盟会を設立した昭和五十五年から三十一年間という長年の活動が実を結び、県民の願いであった整備計画への格上げと建設指示が実現いたしました。
県議会としてもリニア議員連盟を立ち上げて、一致協力して活動してまいりましたことから、このたびの整備計画決定は感無量であり、また、本県にとって大変喜ばしいことと受けとめております。
リニア中央新幹線については、東日本大震災後、一部に慎重意見もありましたが、審議を進めてきた国の交通政策審議会は、今後三十年以内の発生確率八七%と予想されている東海地震への備えとして、我が国の大動脈である東海道新幹線のバイパス機能を持たせることは極めて重要だとして、建設を促進すべきだと答申いたしました。
大震災以来、暗い話題が多い中で、私は、リニアはまさに日本が世界に誇れる技術であり、リニア中央新幹線は我が国の誇りと自信を取り戻す国家的プロジェクトとして成功させなければならないと考えております。
また、空港や新幹線がない本県にとっても、県民の行動圏域が飛躍的に拡大することや、観光産業初め産業経済全般に大きく貢献するものと確信しております。
さて、このリニア中央新幹線建設の第一歩ともいうべき、JR東海から大まかなルート・駅位置の提案が先ごろありました。JR東海の説明によりますと、県内の四圏域について検討した結果、中間駅の設置可能地域として甲府圏域五キロメートルの範囲内が示され、他の三圏域が要望していた場所は、技術的な課題が大きいとして建設困難とされております。
各地域の受けとめ方はさまざまと思いますが、リニア新駅の位置は本県の将来に大きな影響を与え得る重大な事柄であります。
県全体の発展という大局に立ち、山梨は一つという姿勢で、知事のリーダーシップによって早期に決着することが望ましいと考えております。
そこで、まず、今回のJR東海の提案に対して、知事はどのように考えているのか、お伺いします。
また、今後、中間駅の設置場所決定について、どのようにして県内合意を形成していくのか、お伺いいたします。
また、その際に留意すべきは、都市機能をできるだけ分散させないという都市計画の基本に立って、リニア新駅の機能と駅周辺整備のあり方を考える必要があると思います。
全国の新幹線駅の建設と駅周辺整備の状況を見ればわかるように、山梨にリニア新駅が建設されてからも、まちづくりには相当な時間がかかります。
そこで、リニア新幹線駅が建設され、駅周辺まちづくりが始まったら、中央線甲府駅周辺まちづくりと、しっかりバランスを図る必要があると考えます。
中途半端な開発をするのではなく、例えば、東京駅が世界都市としての特色を持ち、名古屋駅が世界的な物づくり拠点としての特色を持つのに対し、中間駅のリニア新駅は緑あふれる環境健康都市のイメージを目指したらいかがでしょうか。
また、中央線甲府駅周辺は歴史と伝統文化のまちづくりの特色あるイメージを目指すことにより、両駅のバランスを図ることを提案します。リニア新駅の周辺のまちづくりについての知事の御所見をお伺いいたします。
次に、甲府城周辺整備についてお尋ねします。
現在進められている甲府駅南口修景計画は極めて重要であり、さらに、その中核的存在となる甲府城の整備は着実に進めなければならないと思います。
例えば、定住人口規模が甲府市とほぼ同じ松本市の場合、ここ五年間で約一万五千人増加しているのに対して、甲府市は約千五百人減少しています。松本市は数年前から、松本城周辺の歴史や文化を生かした町並み整備を軌道に乗せ、さらに推し進めています。
甲府市の場合は、都市の緑と水辺が少ないことが、都市の魅力を半減させていると思います。
韓国のソウル市では、一度埋めて高速道路にしたチョンゲチョン(清潔河)という河川をもとに戻して水辺を復活させ、市民の憩いの場としてソウルのまちの魅力を増加させています。
そこで、濁川にふたをしてしまい、まちの水辺をなくしてしまった甲府市では、防災新館建設後になくなる県庁東別館や県民会館の跡地である県有地に、城下町のシンボルである甲府城の内堀を再現し、水辺をつくることが、しっとりとした情緒あふれるまちづくりをする最後のチャンスだと考えます。
加えて、移転の決まった甲府税務署跡地の利活用を含めたお城フロント構想について、知事はどのように考えておられるのか、お伺いいたします。
次に、甲府城にかかわる地域資源の活用についてお尋ねいたします。
甲府城につきましては、これまでに石垣の修復や歴史的な建造物である稲荷櫓や内松陰門など三門の復元整備が整い、平成二十二年度からは鉄門の復元整備事業も新たに始まったところであります。
一方で、甲府城の周辺には、これからの活用が期待できる歴史的な地域資源がまだまだ数多く残されています。
例えば、甲府城の北東側にある愛宕山の中腹には、甲府城石垣の石材を切り出したとされる石切り場があり、その一部については平成二十一年に甲府城・愛宕山石切場跡として県史跡に指定されておりますが、広く周知され、歴史学習や観光に活用されているとは言いがたい状況であります。
また、最近、酒折にあります八人山でも、山梨学院大学考古学研究会により、新たに石切り場跡が発見され、ここから切り出された石材が、江戸時代の甲府城の修復に使用された可能性があるとのことで、話題を集めました。
さらに、現在、県庁構内で建設準備が進められております防災新館予定地では、平成二十二年度の発掘調査において、今から約四百年前の甲府城築城期の石垣が約二十七メートルにわたって発見され、石垣の基礎部分からは大変貴重な胴木と呼ばれる基礎木材も見つかるなど、大いに注目されたところであります。
このような甲府城の周辺に残されている遺跡や遺構は、城本体の価値を高めるとともに、地域資源として有効に活用していくことが肝要と考えられますが、これらの文化財の効果的活用方策について御所見をお伺いいたします。
次に、廃棄物最終処分場についてお尋ねいたします。
知事は、さきの選挙で、長年の県政課題の解決に向け道筋をつけることを約束され、過日、最大の懸案である廃棄物最終処分場問題についての方針等を明らかにされました。
明野処分場を初めとする処分場問題は、常に県政の最重要課題となってまいりました。地元住民の根強い反対などにより、明野処分場の整備が進まない状況が長く続き、そうした状況を見るにつけ、私は、処分場の確保とあわせ、リサイクルにより埋立量を削減する取り組みが必要であると、議会などさまざまな場面で申し上げてまいりました。近年の最終処分量の減少は、こうした視点で国がリサイクル関係の法整備を進め、国民や事業者が積極的に取り組んできた成果であります。
その結果、一昨年五月に開業した明野・環境整備センターでは、搬入量が計画を大きく下回ることとなり、県・事業団は知事を先頭に搬入促進に取り組まれたのであります。
しかしながら、今回の県の推計では五・五年間の搬入量は計画の三〇%弱、最終赤字は四十七億円に上るとのことであります。
県・事業団の懸命な努力にもかかわらず、かくも厳しい状況が見込まれるのは、リサイクルの進展等に伴い、最終処分量が大幅に減少するのが最大の要因であり、公共関与の処分場は非常に厳しい経営環境にあると言わざるを得ません。
こうした中、県は、産業廃棄物の処分場の整備を当面凍結し、笛吹市境川町の次期処分場については、県内全市町村を対象とする一般廃棄物処分場として整備する考え方を示されました。産廃処分場の整備凍結は、最終処分量が減少し、新たに多額の県民負担が見込まれる中、知事が決断されたものであり、私はやむを得ないものと受けとめております。
一方、市町村に処理責任がある一般廃棄物については、本県は全国で唯一、市町村が設置した稼働中の処分場がない状況にあります。
過去には甲府市や大月都留広域事務組合が処分場を整備した例はありますが、処分場整備には特に広大な用地と多額の経費を要するものであり、市町村が単独または少数で整備することには大きな困難が想定されます。
そうした意味からも、私は今回の方針を支持してまいりたいと思っておりますが、県は、広域的な一般廃棄物処分場の確保に向け、市町村に対して十分な説明を行うとともに、一般廃棄物処分場整備に係る市町村負担の軽減や、これまで県が中心となって調整してきたと聞き及んでいる地元要望施設についても、県の支援策を講じていく必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
一方、明野・環境整備センターについては、施設の有効活用が求められており、受け入れ再開に向け、一日も早い原因究明が必要となりますが、調査の今後の見通しについて伺います。
また、次期処分場における産業廃棄物の最終処分のための施設整備を当面凍結するとの方針は、環境整備センターの埋立期間の延長を前提としたものなのか。
さらに、今回、埋立完了までに要する十五年間の収支見通しについても示されましたが、五・五年間の埋立期間を約九年間延長することを前提として、地元との協議を考えているのか、あわせてお伺いいたします。
次に、県立病院の経営改善とドクターカーの活用についてお尋ねいたします。
まず、県立病院の経営改善についてお伺いいたします。
昨年四月、県立病院は、経営責任を明確にし、より自主的で柔軟な業務運営を行うとともに、県の政策として求められる医療の提供が確保できる経営形態である特定地方独立行政法人へ移行したところであります。
私は、平成二十年七月、県議会に設置した県立病院あり方検討特別委員会の委員長として、県立病院の経営形態の見直しについて先頭に立って議論してきた一人として、中期計画の達成に向けた病院の取り組みについて、常に関心を寄せているところであります。
こうした中、山梨県立病院機構が設立されて一年が経過しましたが、年度計画を大幅に上回る業績を上げられる見通しです。地方独立行政法人への移行は正しい選択であったと一安心しているところであります。
そこで、独法化により、経営改善に具体的にどのように取り組まれ、どの程度改善されたのか、お伺いいたします。
さらに、中期計画を達成するために、今後、どのように取り組んでいかれるのか、あわせてお伺いいたします。
次に、県立中央病院におけるドクターカーの活用についてお尋ねいたします。
私は、従来から、地域医療と緊急医療体制の充実を信条として、救急医療体制の強化、とりわけ、ドクターカーの整備促進を強く主張してまいりました。
そうした中で、昨年八月の県立中央病院における本県初のドクターカーの導入は、まさに我が意を得たりの感を強くしました。
明年度当初から導入が予定されているドクターヘリは、本県の救命救急医療体制を大きく向上させるものでありますが、荒天時などには出動できないことや、ヘリポートが必要となることなどの制約があります。
ドクターカーは、こうした弱点を補い、ドクターヘリと相互に連携させることにより、救命率の向上と後遺症の軽減を一層推し進める有効な手段であります。
そこで、これまでの県立中央病院におけるドクターカーの運用実績とその効果、さらには今後の活用方策についてお伺いいたします。
次に、国民文化祭の開催についてお尋ねいたします。
このたびの東日本大震災は、産業経済活動の停滞はもとより、伝統的な行事や文化芸術活動さえも自粛するような動きを生んでいます。
こうしたときこそ、全国各地の活発な文化芸術活動によって、国民一人一人が活力を取り戻し、日本全体の元気を復活させていく必要があるのではないでしょうか。
平成二十五年に、本県を舞台に二十八回目となる国民文化祭が開催されますが、先般策定された実施計画大綱(案)によりますと、開会式などの県主催事業を初め、芸術文化や生活文化から、地域の特色を織り込んだ事業まで、全市町村を巻き込んで多彩な事業が実施されるとのことでありますが、開催まで二年を切った中で、現在の準備状況をまずお伺いいたします。
本県の国民文化祭の特色は、何と言っても、その開催期間にあると思います。
先催県では押しなべて、文化の日を挟んで九日間から十六日間程度を開催期間としていましたが、本県では先例にとらわれず、一月から十一月までの長期にわたって開催されるとのことであります。
全国で初めての試みでもあり、どのように十一カ月を展開していくのかのコンセプトが一番重要となってくると思います。そこで、その考え方につきましてお伺いいたします。
次に、国民文化祭を見据えた、地域の伝統文化に根差した文化財の活用についてお尋ねいたします。
本県には、全国に誇り得る神楽などの数多くの民俗芸能を初めとする伝統文化が継承されております。これらは、地域への愛着や郷土愛をはぐくみ、心の豊かさや、生活の質を高めていく上でも大きな役割を担っております。
また、県内各地には、伝統文化に特色づけられた地域性を文学や芸術に昇華した先人の活躍の跡も見られます。
一例を挙げますと、甲斐と駿河を最短で結んだ歴史の道「中道往還」に沿った右左口宿は、古くからの文物の往来の様子を物語る文化財が残り、今は甲府市右左口町となったこの地が輩出した放浪の歌人、山崎方代は、遠くふるさとを離れてなお、望郷の念を独特な作風による短歌に託したことで知られています。
平成二十五年の国民文化祭を契機に、こうした地域に伝わる文化のあかしをうまくつなぎ合わせ紹介するなど、地域の伝統文化や文化遺産のより一層の活用を図っていくべきと考えますが、地域の伝統文化に根差した文化財の積極的活用方策について、御所見をお伺いいたします。
次に、東日本大震災等の影響への対応について、お尋ねいたします。
まず、震災後の観光客の減少に係る対策について、お伺いいたします。
今回の震災後、観光に関しても、計画停電や燃料不足、交通インフラの乱れのほか、被災地への配慮などにより、直接の被害があった地域だけでなく、それ以外の地域においても、旅行者が著しく減少しており、五月二十四日に国土交通大臣が発表したところによると、三月から四月にかけて、山梨を含む関東地方では約四八%、全国でも約三六%の宿泊予約がキャンセルされたという非常に深刻な状況であり、県内でも多くの観光地から悲鳴が聞こえています。
加えて、この春は、本県最大のイベントである信玄公祭りを初めとする多くのイベントが中止となっており、当時の混乱した状況を考えると、やむを得ぬ選択だったとはいえ、このことも観光客の減少に一層拍車をかけたものと考えられます。
しかし、いつまでも自粛が続けば、経済活動も萎縮し、被災地支援を続ける前に、日本全体が疲弊してしまうのは自明のことであり、四月二十一日に知事が全国でもいち早く、山梨から元気を発信するとして、知事みずから大手旅行会社にトップセールスに行かれるなど、積極的な誘客キャンペーンに取り組む方針を打ち出されたことは、まことにすぐれた決断であったと、私も共感した次第であります。
また、観光事業者の努力もあり、ゴールデンウイークの県内の主な観光施設への観光客の入り込み状況は、前年に比べ六・八%の減にとどまり、当初危惧した大幅減という事態は避けられ、ひとまず安心したところであります。
このような中、全国の各地域で、震災後の観光客減少に対応した観光業の支援対策が徐々に打ち出されてきており、例えば長野県では、宿泊料金の一部を被災地への義援金とするプランをホームページで紹介するとともに、夏休みに向けた長期滞在型プランの作成などに取り組んでいます。
本県でも、五月二十日に知事が緊急観光振興対策を発表され、早速取り組みを進められているところであります。
そこで、観光客の減少に対する現在の具体的な取り組み状況についてお伺いいたします。
次に、現在も深刻な状況にある中国人観光客の誘致対策についてお尋ねいたします。
昨年、本県に宿泊した約五十万人の外国人旅行者のうち、中国人が占める割合は四八・二%となっており、この比率は全国で最も高いことから、震災により激減した中国人観光客を早期に呼び戻すことが、本県産業にとって大変重要であります。
知事はこれまで、トップセールスを初め、意欲的に中国へのセールス活動を展開し、誘客の実績を上げてこられましたが、震災により減少した中国人観光客を呼び戻すためには、さらに積極的な施策を展開する必要があると考えます。
そこで、中国人観光客の誘客促進に向けて、どのように取り組まれていくのか、あわせてお伺いいたします。
次に、放射性物質の検査機器の整備について、お尋ねいたします。
今回の東京電力福島第一原子力発電所爆発事故は、国民の生活に多大な影響を及ぼしているところであり、一日も早い収束を願ってやみません。
さて、本県では、幸いなことに現在のところ、大気や水などについては、県民の健康に直接影響するレベルの放射性物質は検出されておりません。
しかしながら、事故直後からEUを初めとする諸外国では、本県を含む地域で生産された農産物や加工食品の輸入規制が強化され、放射性物質検査証明書や産地証明書が必要とされています。
一方、他県においては、こうした輸出品のみならず、農産物などを検査する検査機関が不足し、迅速な輸出や出荷に支障を来していると聞いております。
こうした状況は当分の間続くものと推測されますが、本県においても、今後、検査の需要が増加する事態も想定されます。
そこで、検査体制の強化に向けた検査機器の整備状況について、お伺いいたします。
次に、県産農産物の輸出への影響について、お尋ねいたします。
原発事故により、諸外国では、日本全体が放射性物質で汚染されているようにとらえられており、これから本格化する桃を初めとする本県産果実の輸出への影響が心配されます。
現地からの情報では、各国における日本のとらえ方はさまざまであります。一部の国では依然として、日本産フェアを開催しても足をとめる人は少ないとか、日本食レストランの客足は回復傾向にあるものの、日本食品に対するイメージは改善する傾向にないとのことであります。
こうした状況を踏まえ、今まで築き上げてきた輸出相手先との関係等を損なわないように、主要輸出先の輸入規制に関する対策とあわせ、販売促進活動がこういうときこそ必要だと考えますが、本県産果実の輸出に関する対策はどのようにしているのか、お伺いいたします。
次に、企業の農業参入を通じた耕作放棄地の解消について、お尋ねいたします。
本県は、地形に起伏があり、狭隘で傾斜がきついなど、生産条件が不利な農地が多いことから、耕作放棄地の割合が高い状況となっています。
県では、平成二十年度からの新たな耕作放棄地対策として、一筆ごとの調査に基づいて実態を把握し、規模拡大をしたい農業者や新規就農者など、借り手である地域の担い手の実情に応じた各種支援事業を推進しています。
この中には耕作放棄地におけるレンタル牛の放牧などユニークな取り組みもあり、耕作放棄地の解消は、それぞれが着実な成果を上げていると聞き及んでいます。
しかしながら、現在、六十代後半と言われている県内農業者の平均年齢は、今後、さらに上昇することが予想され、新たな耕作放棄地の発生が懸念されます。
このような中、一昨年度の農地制度の改正によって、一般企業等についても、個人農業者と同様に農業への参入が容易となりました。
最近、本県においても、企業が新たな事業展開を図るため、農業に参入し、耕作放棄地を活用している事例を見受けられるようになってきました。
こうした企業は、本県農業の新たな担い手として期待されるとともに、家族経営に比べ、規模の大きい農業展開が見込まれることから、耕作放棄地を含む農地の活用方策としても、大いに有効であると考えます。
そこで、このような企業の農業参入を通じた耕作放棄地の解消を進めるため、県は今後どのように具体的に取り組んでいくのか、お伺いいたします。
次に、企業における技術系人材の確保・育成について、お尋ねいたします。
資源が乏しい我が国においては、すぐれた技術力を生かした自動車や電気製品などを製造する企業が経済の牽引役を果たし、それらの製品の輸出拡大により、我が国の成長、発展が遂げられてきました。
本県においても、機械、金属、電子などの製造業を中心に積極的に誘致を進め、こうした企業とそれを支える地元中小企業により、機械電子産業が本県の基幹産業となっております。
今後も、本県経済の持続的な発展を図っていくためには、引き続き大手企業の誘致を進めるとともに、こうした産業分野の安定した成長を継続させることが重要であると考えます。
しかしながら、近年、少子化や若者の物づくり離れが進み、県外に進学した学生の多くが、そのまま県外に就職してしまうことなどにより、県内企業では若い技術系人材の確保が難しくなっております。
また、本県では、高等専門学校がないことから、高度な技術力を持つ人材の確保に企業が苦慮している状況にあり、大手製造業の誘致が進まない要因の一つではないかと言われております。
さらに、本年三月に策定された山梨県産業振興ビジョンにおいては、今後、成長が期待される物づくり産業としてクリーンエネルギー関連産業、生産機器システム産業などが挙げられておりますが、県内企業がこれら成長分野の新たな事業へ挑戦するためには、高い技術力を持った人材が必要であります。
このため、高度な技能・知識を有する技術系人材を育成できるような教育システムを整備するなど、中長期的な視点に立って、産業界のニーズを踏まえた人材の育成に取り組んでいく必要があると考えます。
そこで、今後、どのように、本県産業を支える技術系人材の確保・育成に取り組んでいくのか、お伺いいたします。
次に、五十メートル屋内公認プールの整備について、お尋ねいたします。
水泳は、子供から高齢者まで幅広く普及しているスポーツであります。
山梨県の水泳の競技人口は、日本水泳連盟登録選手だけでも千百数十人おり、そのほかの競技団体所属選手やスポ少水泳部員、マスターズ所属選手等を加えると、県内水泳競技人口は一万五千人を超えております。
また、大会等競技には出場しませんが、主婦や高齢者の間でも健康のためにプールで泳ぐ人がふえており、本県の水泳人口は確実に増加しております。
また、本県はオリンピック代表選手を過去五人輩出するという高い競技力を誇っております。
昨年は、競泳日本選手権やジャパンオープンなど国内のメジャー大会で、山梨学院大学の鈴木聡美選手が優勝するなど好成績を上げております。
また、中国広州で開催されたアジア競技大会においても、日本代表として萩原智子選手初め本県選手が活躍されたことは、記憶に新しいところであります。
また、最近では、六十回を重ねる海なし三県(群馬、長野、山梨)対抗水泳大会において、ここ数年は山梨県の連続優勝が続いております。
そして、本年はジュニアブロック・シンガポール遠征の日本代表に推薦された本県の有望選手もたくましく育っております。
このように水泳山梨躍進の中で、県内には残念ながら五十メートル屋内プールがなく、県営の公認屋内プールでは、緑が丘スポーツ公園スポーツ会館内の二十五メートル屋内プールがあるだけです。
水泳競技の公式大会は五十メートルの屋内プールで開催されることが通例となっており、小瀬スポーツ公園水泳場等五十メートルプールが使えない時期には、やむを得ず、本県選手は県外の施設を利用しながら試合に臨んでいる状況であり、選手の経済的負担が大きいばかりか、水泳競技の振興を図る上でも大きな障害となっております。
一方、昭和四十九年に整備された緑が丘の屋内プールは言うまでもなく、小瀬の屋外プールも昭和六十一年のかいじ国体開催にあわせて整備されて以来、二十六年が経過していることから、老朽化に伴う施設の劣化が気になるところであります。
また、関東で五十メートルの屋内公認プールがないのは、埼玉県と山梨県の二県のみであります。
県民が生涯にわたって水泳に親しむ環境を整えるとともに、全国レベルの大会で好成績をおさめる選手や世界を目指す選手の育成を含め、さらなる競技力の向上を図るためには、施設の充実が重要であります。
また、このたび、国のスポーツ施策の根幹となるスポーツ基本法が成立したことは、競技力の向上や施設の整備など、スポーツの振興にとって非常に重要な意義があります。
このようなことから、私は、年間を通じて利用でき、全国規模の公式大会が開催できる五十メートル屋内プールの早期整備が喫緊の課題だと考えます。御所見をお伺いします。
以上をもちまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
横内知事
ただいまの皆川議員の御質問にお答えをいたします。
ただいまは、自民党・県民クラブを代表され、県政各般にわたり御質問をいただきました。
真の分権型社会の実現に向けて、一層の議会改革を推進するという決意を示されながら、私とともに暮らしやすさ日本一の県づくりを目指していただけるという力強いお言葉を賜りました。
今後も、御指摘のように、本県が未来に向かって大きく飛躍することができるように取り組みを進めてまいりたいと思いますので、変わらぬ御支援、御協力をお願い申し上げます。
初めに、六月補正予算編成の基本的な考え方と当面の財政運営について、質問がございました。
今回の六月補正予算につきましては、まず第一に東日本大震災関連への対応として、県内中小企業等への支援とか、本県への観光客誘致などの県内対策、そして、本県における大規模災害に備えた防災体制の強化などの施策を早急に取りまとめまして、十四億円余を重点的に予算計上したところであります。
また第二に、本年度当初予算を骨格予算として編成いたしましたので、さきの知事選挙において県民の皆様にお約束をした暮らしやすさ日本一の山梨づくりに向けた七つのチャレンジを実現するための新規施策的な事業について、積極的に予算計上したところでございます。
具体的には、成長分野への中小企業の参入と新産業の集積、自然を生かしたクリーンエネルギーの導入促進、県民の豊かな生活を守る保健医療の充実などを推進することにしておりまして、これにより、山梨発展の芽を大きな成果へと結実させていくよう、全力で取り組んでまいる所存であります。
また、当面の財政運営につきましては、厳しい財政状況でありますけれども、そういう中にあっても、将来にわたって持続可能な財政運営の確保を図ることが極めて重要でございます。
このため、将来の県民負担となる通常の県債等残高の削減に積極的に取り組んでいきたいと考えております。これまでの四年間で、削減目標を二百一億円上回る五百八十一億円余の削減を達成したところでありますが、今後四年間につきましても、引き続き、通常の県債等残高の削減に強力に取り組んでいきたいと考えております。
さらに、山梨版事業仕分け等によりまして、事務・事業の不断の見直しを行うと同時に、限られた財源を重点的に配分することにより、暮らしやすさ日本一の山梨づくりに向けた施策を積極的に実施してまいりたいと考えております。
次に、リニア新駅の設置場所についての御質問でございます。
まず、今回のJR東海の提案に対する県の考え方について、御質問がありました。
今月十三日に県期成同盟会で説明がなされましたJR東海の提案は、駅設置の要望があった四圏域ごとに、客観的な基準とデータに基づいて、根拠を明確に示しておりまして、本県の要請を踏まえて、誠実に対応していただいたものと評価しております。
また、インターチェンジなどとの距離をできる限り短くするなどの広域からのアクセスがよいこと、既成市街地を避けるなど用地確保が容易であることといったJR東海が示した駅設置の条件についても、妥当であると考えております。
したがいまして、このたびのJR東海の提案は、客観的な基準及びデータに基づき、かつ適切な条件を考慮して、駅建設地の適否が判断されておりますので、この提案は尊重すべきものと考えております。
次に、中間駅の設置場所に関する県内合意の形成についての御質問でございます。
リニア新駅は、大前提として、技術的に建設可能であり、その上で、県下各地に住む県民にとって最も使いやすく、さらには本県全体の発展にとって最適な場所に設けられるべきであります。
今回のJR東海が提案した甲府盆地南部地域は、こうした条件を十分に満たしていると考えられますので、今後は、JR東海の提案を基本として、四圏域の協議会を初め経済団体等の方々にも御意見を伺いながら、リニア新駅の大まかな位置についての合意形成を図ってまいりたいと考えております。
その上で、年内を目途に、新駅が山梨県にとって最適な場所に設置されるように、関係市町村、JR東海等と協議・調整しながら、具体的な位置の絞り込みを図っていきたいと考えております。
次に、リニア新駅周辺のまちづくりについての御質問であります。
本県では、ことし三月に都市計画区域マスタープランを策定いたしましたが、このマスタープランにおきましては、都市のこれ以上の拡大を抑制し、効率的でコンパクトな都市づくりを目指すということにしております。
リニア新駅と、その周辺整備につきましては、この考え方に基づきまして、新たな拠点都市を形成するというのではなくて、既存都市との整合を図りながら、交通拠点としてのターミナル機能や駐車場、附帯施設などを主体に整備を進めていきたいと考えております。
今後、地元市町村など多くの関係者の御意見を伺いながら、必要となる駅の機能や駅周辺整備のあり方等について検討を進め、議員御提案のように、山梨らしさが伝わる魅力ある駅となるよう努力してまいりたいと考えております。
次に、甲府城周辺地域の整備についてでございます。
甲府城周辺の修景計画につきましては、昨年度から甲府駅南口周辺地域修景計画検討委員会の中で、検討を行っているところであります。
本年三月に提示した修景計画原案の中では、舞鶴城公園周辺地域について、歴史と文化へのアプローチゾーンといたしまして、緑豊かでゆとりが感じられる空間づくりを目指すという方向性を示しております。
御指摘のお城フロント構想も、一つのすぐれた御提案と考えておりまして、検討委員会の中でも議論を重ねておりますけれども、文化財の保護や駐車場のスペース確保などの課題もございます。
今後はこの検討委員会に、まちづくり団体の一つであり、お城フロント構想を提唱している新世紀甲府城下町研究会などからも、委員として参加をしていただきまして、今までに寄せられたさまざまな御意見や御提案について、関連する計画との整合性や実現性など、よく検討した上で、年度内に基本的な方向性を示す修景計画を取りまとめていきたいと考えております。
次に、廃棄物最終処分場についての御質問でございます。
まず、笛吹市境川町の次期処分場についての御質問であります。
北杜市明野町の環境整備センターに続く次期処分場は、産業廃棄物及び一般廃棄物を受け入れる処分場として、甲府市及び峡東三市のごみ処理施設との一体的な整備を前提に、計画が進められてきたものであります。
しかしながら、産業廃棄物に関しましては、リサイクルの進展に伴う最終処分量の減少等によりまして、将来的に約六十三億円の赤字が見込まれるということになりまして、次期処分場については、産業廃棄物のための整備は当面凍結し、県内全市町村を対象とする一般廃棄物処分場として整備するという方向で、市町村等と協議を行うこととしたところであります。
今後、四市のごみ処理施設の建設スケジュールにできる限り影響が出ないよう、十月末までに市町村等の意向を確認することにしておりますが、御指摘のとおり、県といたしましては、一般廃棄物は市町村の自区域内処理が原則であり、そのための国の支援制度も用意されていること。
一般廃棄物処分場を県内に設置することにより、市町村が長期間、安定的に処理責任が果たせること。一般廃棄物処分場を広域的、拠点的に整備することにより、市町村が個々に設置するよりも、建設及び維持管理の効率化が図れることなどのメリットや必要性につきまして、御指摘がありましたように、市町村などに十分説明をしていきたいと考えております。
また、一般廃棄物処分場整備に対する県の支援策が必要ではないかという御指摘がございましたが、一般廃棄物の処理に関する法律上の市町村の役割を踏まえますと、まずは国の支援制度を最大限活用する中で、市町村の負担において実施することが原則であります。
一方、一般廃棄物処分場の広域的・拠点的な整備は、県としても促進する必要があるほか、次期処分場につきましては、峡東地区最終処分場整備検討委員会における検討や四市との協議などを踏まえまして、県が建設地や整備内容等を決定したものであります。
こうした建設地決定の経緯等を踏まえまして、一般廃棄物処分場の整備費のうち、上寺尾区を建設地とすることに伴い特に必要となる経費、これは具体的に申しますと、県道から約一・五キロメートルに及ぶ取りつけ道路の確保とか建設地内を流れる河川のつけかえの経費などでございますが、こうした経費につきましては、県としても応分の負担を検討する必要があると考えております。
また、次期処分場建設地に隣接して計画されております地元要望施設につきましては、地元の上寺尾区からの処分場候補地の応募条件に基づきまして、これまで県が地元との窓口になって、施設の整備内容を検討してきた経緯もございまして、ごみ処理施設を利用する四市の役割をも踏まえる中で、県の応分の負担について検討してまいりたいと考えております。
次に、明野・環境整備センターについての御質問を幾つかいただいております。
まず、漏水検知システムによる異常検知の原因究明作業の見通しについてであります。
これまで、安全管理委員会から承認をいただいた調査計画に基づきまして作業を行ってまいりましたけれども、遮水シートの損傷などは確認されていないという状況であります。
今後は、施設の施工業者と共同して、遮水シートの性能自体を確認するための強度試験を行うことにしておりまして、七月末を目途に、これまでの調査結果とあわせまして、安全管理委員会に報告し、その後の対応措置などを検討していきたいと考えております。
次に、産業廃棄物の処分場整備の凍結は、明野・環境整備センターの埋立期間の延長を前提としたものなのかという御質問であります。
次期処分場につきましては、リサイクルの進展によって産業廃棄物の最終処分量が減少する中で、現行計画で整備を行った場合には、新たに六十三億円という多額の県民の税金の投入が必要となりまして、財政状況が厳しい中、県民の理解を得ることは困難であります。
こうしたことから、今般、産業廃棄物のための次期処分場について、当面、凍結することとしたものでありまして、必ずしも明野・環境整備センターの埋立期間の延長を前提とするものではございません。
最後に、埋立期間を約九年延長することを前提として、地元と協議を行うことにしているのかという御質問をいただきました。
埋立期間の延長につきましては、まずは今後、原因究明作業をできるだけ早く完了させて、受け入れを再開させることが第一であります。
その後、引き続き、廃棄物の搬入促進に向けた取り組みを推進するとともに、再開後の廃棄物の受け入れ状況を一定期間、見きわめた上で、御指摘の延長期間の問題も含めまして、地元の皆様に誠意を持って協議をお願いしていきたいと考えております。
なお、漏水検知システムの異常検知の原因究明が困難、または原因究明作業が長引いて、さらに受け入れ停止期間の長期化が見込まれる場合には、その時点において、改めてセンターの方向性について検討を行ってまいりたいと考えております。
次に、県立病院の経営改善とドクターカーの活用についてでございます。
県立病院は、昨年四月に地方独立行政法人に移行いたしまして、一年余りが経過いたしましたが、小俣理事長が先頭に立ち、職員が一丸となって、良質な医療の提供や経営基盤の強化に全力で取り組んでいただいているところであります。
まず、平成二十二年度の経営改善の取り組みと改善状況についてでありますが、中央病院では、患者さんをきれいに早く治すという方針のもとに、昨年七月から、看護師一名が患者七名を看護するという体制を導入いたしまして、よりきめ細やかな看護を提供するとともに、早期に適切な措置を行って、より多くの新規入院患者を受け入れていくということに取り組んできたところであります。
また、化学療法科や放射線科などからなるがん診療部というものを新設いたしまして、チームで患者に最善の治療を提供するなど、がん医療の充実を図ってきたところであります。
さらに、北病院では、新たに心身喪失者等医療観察法に基づく入院病棟というものを開設いたしまして、これまで四名の対象者を受け入れて、社会復帰に向けた治療を行ってまいりました。
こうした取り組みによりまして、医療の質が向上するとともに、経営の改善も図られ、中央病院の新規入院患者が約千人増加するなど、法人全体の医業収益は、年度当初の計画を一割近く上回る見込みとなっております。
次に、今後の中期計画の達成に向けた主な取り組みにつきましては、中央病院では、増加する外来化学療法患者に対しまして、がんの治療が受けられる通院加療がんセンターを整備するとともに、ドクターカーやドクターヘリの運用により救命救急医療の充実を図り、さらに北病院では、精神科救急・急性期医療体制を充実・強化してまいります。
こうした取り組みを進めることによりまして、県の基幹病院として県民に信頼される質の高い医療が確保されるものと期待しております。
次に、ドクターカーの実績・効果についてでございます。
ドクターカーは、言うまでもなく、医師を派遣することによりまして治療開始までの時間を短縮して、救命率の向上や後遺症の軽減を図ることができるものでありますので、昨年八月から県立中央病院で全県を対象に運用されております。
平成二十二年度の出動実績は四十二件を数えまして、そのうち病気の半数を占める外傷、交通事故等による外傷でありますが、外傷の救命率は七五%に上っておりまして、重症重篤な患者の救命に寄与しているものと認識しております。
また、今後のドクターカーの活用につきましては、ドクターヘリに比べて、活動エリアは限定されるわけでありますけれども、天候に左右されないという特性を踏まえまして、ドクターヘリとドクターカーの活動エリアのすみ分けや、ドクターヘリが天候不順などによって運航できない場合の補完的な機能など、それぞれの役割分担について、県立中央病院と連携して検討を進めまして、救命救急医療の一層の充実・強化につなげてまいりたいと考えております。
次に、国民文化祭の開催についてでございます。
まず、現在の準備状況についての御質問でございますが、音楽、舞踊、美術、民俗芸能など、各分野の発表・競演が繰り広げられる市町村主催事業につきましては、昨年度、すべての市町村を舞台にして、七十余りの事業が開催されることが決定されました。
本年度は、各市町村が実行委員会を設立いたしまして、この委員会で、芸術文化団体と協力しながら、出演者をだれにするか。
作品の募集要領を作成するというようなことを予定しておりまして、県としても、委員会に各地域県民センターが加わるなどして、積極的に支援していきたいと考えております。
また、開会式と閉会式が行われる総合フェスティバルなどの県主催事業につきましては、総合プロデューサーを選定するとともに、具体的な内容を盛り込んだ実施計画を策定していきたいと考えております。
あわせて、国民文化祭に関する認知度を高めていくために、現在、イメージソングを公募中でありますが、その最終選考を公開で五百日前イベントということで行うこと。
また、冬を象徴する伝統行事であります道祖神を題材にした一年前イベントを開催するといったことによりまして、機運の醸成を図ってまいりたいと考えております。
次に、長期にわたる大会の展開についての考え方はどうかという御質問であります。
本県の国民文化祭は、自然や風土、歴史の中で培われてきた伝統行事や文化に光を当てまして、四季を通じて、本県の自然や文化のすばらしさを満喫していただくために、全国で初めて通年で開催することにしております。
開催期間が非常に長い期間にわたりますために、会期を四つの季節のステージに分けまして、それぞれ初めに季節を象徴する、例えば冬であれば道祖神祭りとか、夏であれば富士山に関連した事業を集中的に実施いたしまして、各ステージの特徴を出すとともに、季節の転換を際立たせて、めり張りのある事業展開をしてまいりたいと考えております。
さらに、一月の冬のステージの開幕をプロローグにして、春、夏と徐々に盛り上げて、秋のクライマックスへ一つの物語のように展開していくことによって、全体の連続性と統一感を出し、県内外からの多くの参加者や観覧者が、会期を通じて楽しんでいただけるような大会にしていきたいと考えております。
次に、東日本大震災等への影響への対応について、幾つか御質問がございました。
まず、震災後の観光客の減少に係る対策についてでございます。
第一の質問の現在の取り組み状況でありますが、県では四月の後半から、国や大手旅行社へトップセールスとか観光キャラバンや観光キャンペーンに積極的に取り組んでまいりまして、ゴールデンウイークには、個人観光客を中心に、ある程度の観光客の確保が図られたところであります。
しかしながら、団体旅行、そしてインバウンド観光――海外からの観光を中心に、依然として不透明な状況が続いていくと危惧されますので、五月後半から、さらなる対策として、富士の国やまなし緊急観光振興対策に取り組むことにいたしました。
例えば、本年は節電のために、企業等が長期休暇を導入するということが見込まれまして、豊かな自然や温泉を初め、本県のさまざまないやしの素材を生かした長期滞在客が見込まれますので、そういった需要に対応した長期滞在型のツアーを新たに旅行商品として造成してPRをしたり、本県の魅力的な地域資源を活用した新たな誘客イベントを開催するといったことに対して、旅行会社とか市町村等に支援を行っていきたいと考えております。
あわせて、夏や秋の旅行シーズンに向けて、首都圏のJR主要駅や高速道路のサービスエリアなどにおいて、本県の魅力をアピールするポスターを掲げるなど、集中的な観光キャンペーンを実施してまいります。
以上のような取り組みによりまして、市町村や観光関係団体と連携しながら、夏休みや紅葉シーズンに向けて、本県の観光振興を強力に進めてまいります。
第二の御質問の中国人観光客の誘致対策についてでございます。
四月末に中国政府による日本への渡航制限の緩和があり、また五月下旬から、団体観光ビザによる旅行再開などの動きがありましたので、これに早急に対応していくために、先日、やまなし観光推進機構が観光団体と連携いたしまして、北京国際旅遊博覧会に参加し、本県観光地の安全と魅力を強くアピールするとともに、中国の旅行会社を訪問して、本県への送客を要請したところであります。
また、今後、中国の観光ホームページへ山梨県特集ページを掲載するとか、中国のブログサイトでの最新の観光情報を発信するとか、山梨の魅力を紹介するテレビ番組を中国で放映をするとか、そういった情報発信の充実を図ることにしております。あわせて、北京、上海の観光経済交流拠点を活用した中国旅行会社への宣伝活動を一層強化していきたいと考えております。
さらには、秋に訪日旅行者の大幅な伸びが期待できる中国の地方都市を対象といたしまして、県や市町村、観光団体からなるキャラバン隊を派遣いたしまして、各地方の旅遊局や教育局などの行政機関あるいは旅行会社に対するセールス活動を実施することにしております。
こうした取り組みを積極的に展開することによりまして、中国からの誘客を促進してまいりたいと考えております。
次に、県産農産物の輸出への影響についての御質問でございます。
本県では、各国の県産農産物の輸入規制に対しまして、輸出に必要な各種証明書の発行手続を迅速に行っているほか、国を通じて、各国の輸入規制が科学的根拠で行われるように要請しております。この結果、中国からは、本県を輸入停止対象都県から除外する旨、先月、表明がなされました。
販売促進活動に関しましては、私みずから輸出業者と、海外の消費動向や今後の対策について、来月に意見交換をするほか、今後の輸出先として有望なシンガポールでトップセールスを行う予定でございます。また、JAにおいても、急遽、幹部が最大の輸出先の台湾で、輸出改善に向けた要請活動を行うことにしておりまして、今後とも、生産者団体と一体となった輸出促進に鋭意取り組んでまいります。
次に、企業の農業参入を通じた耕作放棄地の解消についての御質問でございます。
平成二十二年度に公表された耕作放棄地全体調査によりますと、全国的には耕作放棄地は増加しているわけでありますが、そういう中で、本県においては約六十三ヘクタールほど、面積が減少いたしました。
これは、県内の農地を活用して農業や農村の活性化にチャレンジする方が、近年ふえていることが主な要因だと考えております。
新規就農者も年々ふえておりますし、農業に参入する企業も、年間の参入数が昨年度は初めて二けたに達するなどの増加傾向にあります。
このうち、農業に参入する企業の場合には、耕作放棄地を再生・活用して、大規模でまとまった農地を求めることが大変に多いわけでありますので、御指摘のように、今後、企業の農業参入に力を入れていくというのが、本県の耕作放棄地解消を加速的に進めていく上で重要だと考えております。
昨年度は北杜市須玉町で、外食産業を営む県外企業が、長年、耕作放棄されていた東京ドーム四個分に当たる十六ヘクタールの農地を、県と連携しながら再生いたしまして、農業の六次産業化に取り組み始めました。
現在でも、県内外の企業から、農業参入に関する相談が多く寄せられておりまして、その中には、県外の大企業からの引き合いも複数あるなど、企業の県内農業への参入意欲は引き続き高いものがございます。
県といたしましては、農業への参入を希望する企業に対しまして、農地情報を素早く提供できる体制を整えることとか、企業のニーズに沿った基盤整備を支援することなどを通じまして、今後とも企業参入による耕作放棄地の再生・活用に鋭意取り組んでいきたいと考えております。
最後に、企業による技術系人材の確保・育成についての御質問であります。
少子高齢化が進みまして、生産年齢人口の減少傾向が続くという状況において、本県経済の発展や、優良な企業の集積を図るためには、御指摘のように、物づくり産業の将来を担うすぐれた技術系人材の確保・育成が極めて重要であります。
このため、平成二十年六月に産業界、教育界、労働界などの代表者で構成いたします産学官労連携人材確保・育成推進会議を設けまして、人材確保の検討を行ったわけであります。そして、初等教育の段階から、適切な職業教育を行う一貫型の教育システムの構築ということを提案いただきましたので、それに取り組んでいるところであります。
小学生から高校生までの間は、それぞれの段階に応じた職場体験とか職場見学会を行ったり、あるいはインターンシップなどを行いまして、物づくり意識の啓発に努めております。
また、工業系高校と産業技術短期大学が連携して、実質的に高等専門学校と同様な五年間の一貫型カリキュラムを通して、実践的な技術者を養成するということにいたしまして、都留市の谷村工業高校では、産短大都留キャンパスとの連携を視野に入れて、現在、二年生からの実習内容の見直しを行うとともに、来年度は学科を改変することにしております。
さらに、山梨大学工学部に平成二十一年度から地域産業リーダー養成特別枠を設けていただきまして、既に三年生まで十名の学生が入学して、本県産業界のリーダーとして活躍できる人材を育成するための特別演習とか特別インターンシップなどを行っておりまして、機械電子工業会と連携して、これを支援しております。
今後とも、こうした取り組みを通じて、企業のニーズを的確に把握する中で、本県産業界を担う技術系人材の確保・育成に努めてまいりたいと考えております。
以上をもちまして、私の答弁といたします。
その他につきましては、担当部長からお答えをさせていただきます。
福祉保健部長
皆川議員の放射性物質の検査機器の整備についての御質問にお答えいたします。
福島第一原子力発電所の事故の影響によりまして、県内工業製品や加工食品などの輸出に際し、一部外国政府や海外取引先等から、放射線量や放射性物質の検査を求められているところでございます。
このため、まず県内工業製品の検査につきましては、先般、製品の表面の放射線量を測定する装置を、山梨県工業技術センターに二台整備いたしまして、検査や証明書の発行を実施しているところであります。
また、摂取することによって人体に影響があります加工食品等の放射性物質の検査につきましては、今後、検査を要請されるケースが増加することが想定されますため、衛生環境研究所に設置しております分析装置一台に加え、新たに二台を発注いたしまして、検査体制の強化を図っているところであります。
以上でございます。
教育委員会委員長
皆川議員の御質問にお答えいたします。
まず、甲府城にかかわる地域資源の活用についての御質問にお答えします。
県指定史跡「甲府城愛宕山石切場跡」につきましては、今後、広く県民に公開していくため、環境面での条件整備などについて、土地所有者など関係者と協議を進めてまいります。
また、防災新館建設予定地から出土した石垣及び胴木につきましては、有識者の御意見を踏まえ、その一部を防災新館地下一階に設ける見学スペースにおいて公開していくことといたしております。
さらに、今般、酒折の八人山で発見されました石切り場につきましては、現在、甲府城との関連について、資料調査を進めているところであります。
今後、鉄門の復元整備を行っている甲府城と、これら甲府城周辺の歴史的な地域資源が、郷土学習の場や観光資源として一体的に活用されるよう検討してまいります。
次に、国民文化祭を見据えた地域の伝統文化に根差した文化財の活用についてであります。
本県では、多くの地域において、全国に誇り得る伝統文化に根差した文化財が継承されており、県においても、その保存・活用に努めてきたところであります。
これまでも、本県とかかわりのある作家ゆかりの地をめぐる文学散歩や、地域の歴史を学ぶ史跡文化財セミナーなど、各地域の文化財などを一体的に活用した事業を実施してまいりました。
また、県内各地に伝承されている民俗芸能を将来へ着実に継承していくため、平成二十一年度から三カ年計画で、これらの実態把握や記録保存を行う民俗芸能緊急調査を実施しているところでございます。
今後は、これらの成果を踏まえながら、平成二十五年の国民文化祭に向け、各地に点在する文化財をめぐるフットパスのコース設定や、県立博物館などにおける関連するセミナーの開催など、地域の伝統行事を広く県民に情報提供し、教育活動や観光振興への活用に努めてまいります。
次に、五十メートル屋内公認プールの整備についてであります。
本県では、県民が健康で豊かに生きるため、だれでもどこでもスポーツに親しむことのできる環境づくりに努めるとともに、国際大会などでの本県選手の活躍により、県民に夢や感動を与えられるよう、競技力の向上に取り組んでおります。
このような中、本県の競泳種目におきましては、多くの選手が全国レベルの大会で数々の輝かしい成績をおさめており、その活躍は目覚ましいものがございます。
一方、県営の公認プールとしては、緑が丘の二十五メートル屋内プールと、小瀬スポーツ公園の五十メートル屋外プールがありますが、いずれも、整備以来、相当な期間が経過しているため、競技団体等から、五十メートル屋内公認プールの整備について、強い要望をいただいております。
県教育委員会といたしましては、五十メートル屋内公認プールは、県民の生涯スポーツの振興、競技力強化の両面で重要な施設であるという認識に変わりはありませんが、全国規模の公式大会の開催が可能な施設の整備には、他県の整備事例を見ますと、多額の事業費や維持管理費が必要となります。
他方、一般的な耐用年数が三十年程度と言われる中、新たなプールの整備計画の検討に当たっては、既存施設であります小瀬スポーツ公園の五十メートル屋外プールの耐用年数も十分に勘案していく必要がございます。
このため、現下の厳しい財政状況や、他の大型事業の執行計画に加え、このようなことも考慮に入れながら、検討を重ねてまいります。
以上でございます。
皆川議員
おおむね前向きの御答弁いただいたものと思いますが、企業における技術系人材の確保・育成についてであります。
産学労と共同しながら、一貫教育システムをつくったり、今いろいろな御努力をなされていることはわかるんですが、何で高等専門学校が、山梨には一つもないのか。私は常日ごろ疑問に思っております。
どうして高等専門学校ができないのか、その理由をお聞きしたいと思います。
産業労働部長
皆川議員の高等専門学校に関する再質問にお答えいたします。
高等専門学校が、どうして山梨県にはないのかという御質問だと思いますけれども、御存じのように、ほとんどの場合が国立の高等専門学校、公立の専門学校というのは非常に少ない歴史的な経緯がございます。
そんなこともございまして、本県にはこれまで、技術系の大学というのは山梨大学しかございませんでしたけれども、私立系のそうした民間の高等専門学校などの立地するような経緯にはございませんでした。
この高等専門学校がないということについての歴史的な経緯について、詳しく検討している経過はございませんけれども、少なくとも、そうしたものがないという本県の現状を踏まえまして、産業技術短期大学校によりまして、これを工業高校からの一貫的な実施的なカリキュラムを目指すことによりまして、これにかわる教育システムといったもので、補完ができればということで、県としては取り組んでまいったというような経緯であると承知しております。
以上でございます。