
皆川議員
私は、自民党新政会を代表いたしまして、今定例県議会に提出されました案件並びに県政全般について質問をいたします。
横内知事が、「山梨を変える」「山梨を元気にする」との強い思いで就任されて、間もなく二年になろうとしております。
この間、多くの県民と直接対話し、県の財政再建の方向を行革大綱により、明確に示し、県内経済の活性化のために本県からの情報発信をふやそうと、
企業誘致、観光振興、県産品のPR等、知事みずからがトップセールスを積極的に展開するなど、常に知事が先頭に立って県庁を引っ張っているという強い印象を抱いております。
また、厳しい財政状況の中においても、活力創出緊急対策など、必要なことは果敢に実行するという、状況への素早い反応は大いに評価すべきと考えております。
私は、米国発の金融危機を契機として、世界経済が停滞局面に入ったと言われているこれからが、本県にとってまさに正念場になると考えております。
ここで、さらに沈滞してしまうか、次のステップへの足場を固めるかが極めて重要であります。
知事を先頭に、県庁職員が知事の思いを理解し、その英知をさらに結集すべき時と考えます。
私は、県議会は県民に開かれた、わかりやすい議会を目指すべきであり、私たち議員の役割は、日常活動の中で県民の皆様からいただいた貴重な御意見を政策に反映させることが最も重要であると考えております。
私たち自民党新政会は県民目線のスタンスを大切にし、県議会の立場から、この正念場を乗り切り、明るい未来の実現につながるような議論を展開することによって、横内県政を支援してまいる所存であることを申し上げ、以下、質問に入ります。
初めに、補助金不正経理問題と地方分権の推進についてお尋ねいたします。
国から支給された補助金などの不正経理が、十二道府県で発覚したことが全国的な問題となっています。
会計検査院から不適正と指摘された額は、平成十四年度から平成十八年度までの五年間の分、合計額が国費で五億五千万円以上に上るとのことでありました。
補助金を「預け」という手法で、業者からいろいろな物品を購入していたとか、虚偽の書類をつくり、契約と別の物品を納入させる「差し替え」や、前年度に発注した物品を翌年度に納入する
「翌年度処理」など、その手法が明らかになり、多くの国民から「こんなずさんな会計をしながら、補助金が少ない、地域間格差が生まれるという不満を地方は言う資格があるのか」
あるいは「そんな余分なお金があるのならば、もっとよい使い道があるのではないか」といった批判が巻き起こりました。
県では、現在、点検中とのことでありますが、不正経理で裏金をつくったケースなどは論外として、この問題は表面的な「不正経理」の問題として論ずる前に、まさに地方分権の視点から、補助金制度の構造的な欠陥として論ずべきであると考えます。
道路関係の補助金で出張した職員が、河川など他の仕事をしたら「目的外使用」というのは、非常に形式的であります。
使途が細分化された補助金を出し、使途を余りにも細かく制限している今の制度そのものが、実態に合わず、その事務処理のために、逆に大きなむだを生じていると考えるべきではないでしょうか。
国庫補助金の弊害については、地方自治を阻害するという観点から、古くから指摘されてきました。
その補助金の改革策として、補助金の統合化などがありますが、一般財源化して税財源を地方に移譲することが、最も徹底したものであります。
すなわち、補助金を廃止することにほかならないからであります。
知事には、地方分権推進の旗頭になっていただき、国に対して、国庫補助金を一般財源化し、財源を地方に移譲して使えるように働きかけていただきたいと考えています。
そこで、今回の国庫補助金の不正経理問題について、知事はどのような認識をお持ちか、また、今後、地方分権の推進にどのように取り組まれるのか、お伺いいたします。
次に、甲府駅周辺の新都市拠点整備事業と県事業との連携について、お尋ねいたします。
今、県都甲府市の中心市街地が大きく変貌しようとしております。
甲府駅周辺拠点形成事業が平成十七年度から本格的に始められ、中央消防署や、甲府城山手御門を復元した甲府市歴史公園が平成十九年春に完成しております。
甲府市の事業として、北口駅前広場、よっちゃばれお祭り広場、藤村記念館の移築などの事業が進行しており、さらに近い将来、大正時代のまち並みを再現した甲州夢小路、国の合同庁舎、NHK甲府放送局新局舎に加え、県立図書館や高度情報化拠点が立ち並ぶことになります。
一方、甲府駅南口側では、甲府地方裁判所が間もなく竣工を迎え、紅梅地区再開発ビルも、つち音高く建設が進み、甲府市役所、新県庁舎も建設に向け準備が進んでおります。
まさに、県都が新しいまち並みに生まれ変わろうとしている歴史的な変貌期を迎えていると言えます。
事業を進めるに当たっては、それぞれの事業主体がその守備範囲の中だけで考えるのではなく、国、県、市が緊密に連携して取り組む必要があることは言うまでもありません。
特に、県と甲府市の事業調整が非常に重要であると考えています。
そこで、幾つかお伺いします。
まず、甲府市との連携等についてであります。
県立図書館等の建設に当たっては、周辺の都市景観との調和が重要であり、特に駅前の藤村記念館、山手御門・歴史公園、甲州夢小路などの歴史的特色を有する建造物との調和が課題となるのではないでしょうか。
また、人の流れを考えるとき、甲府駅北口ペデストリアンデッキを図書館まで延長する必要があると考えていますが、これも検討すべき課題の一つであります。
そこで、こうした課題への対応方針、並びに県と甲府市との連携について、どのように考えているのか、お伺いいたします。
次に、北口エリアと甲府城との円滑な連絡についてであります。
JR中央線で分断されている甲府市歴史公園や甲州夢小路などと甲府城の円滑な連絡は、このエリアの整備効果を最大限に発揮させるために不可欠であります。
JR線路下に戦国時代の城の抜け道のように石づくりの地下道を築くという夢のある大胆な構想や、東京ガス側への通路の設置などが考えられます。
県は、現在、舞鶴城陸橋の歩道拡幅に向けた取り組みを進めていますが、遅くとも甲府駅周辺拠点形成事業の完成時までには完了しなければなりません。
そこで、その進捗状況と今後の見通しについて伺います。あわせて、その他の連絡手段について御所見をお伺いします。
次に、県庁舎の整備についてであります。
甲府駅と甲府市中心街との間に位置する県庁舎の整備に当たっては、にぎわいの創出に十分な配慮をしたいとして、新庁舎の一階に商業施設などを配置する方針と聞いております。
整備に当たっては、甲州夢小路、市役所新庁舎や紅梅地区再開発ビルとの連携、機能調整が必要なことは言うまでもありませんが、私は、本県が全国に誇る地場産業であるジュエリー関連の施設を設置することを提案いたします。
具体的には、魅力あるジュエリーミュージアムを設置すべきと考えており、PFI事業者を選定する際に、条件として明示すべきと考えています。
そこで、現在、県においては新庁舎一階のスペースにどのような施設内容を考えているのか。
また、関係団体等とどのように調整していく考えか、お伺いします。
また、別館、議事堂は文化財的価値が高く、文化財登録をした上で執務室とあわせ資料館的な活用をすることで、甲府城とともに中心市街地の活性化にも寄与できるものと考えますが、あわせて御所見をお伺いいたします。
次に、国民文化祭についてお尋ねいたします。
平成二十五年の第二十八回国民文化祭が本県で開催されることが内定しました。
国民文化祭は、国民の文化活動への参加意欲を喚起するとともに、各地の文化の発信を行う日本最大級の文化の祭典であります。
この国民文化祭の本県開催を絶好の機会としてとらえ、県内各地でそれぞれの地域の歴史や伝統文化を見詰め直し、地域に受け継がれてきた伝統芸能や祭りなどを再び活気あるものにしたり、音楽、舞踊、絵画、書道など、さまざまな芸術文化活動を県民が日常生活の中で楽しむ暮らしが定着していけば、多くの交流が生まれ、地域の活性化にもつながっていくのではないかと大いに期待をしております。
さて、今年度の国民文化祭は、茨城県において第二十三回大会が開催されました。
茨城といえば水戸徳川家であります。水戸黄門として知られる水戸光圀公をイメージした「ハッスル黄門」のマスコットキャラクターをつくり、水戸城三の丸内に創設された水戸藩の藩校であり、現在国の重要文化財に指定されている弘道館も、茶道の会場として使用されるなど、趣向を凝らしたさまざまな文化イベントが、県内の各市町村において行われました。県内外から延べ約百二十万人近くの参加者や観客が各イベント会場に集い、文化の祭典を楽しんだと聞いております。
しかし、一方で、回を重ねるたびにイベント会場数や参加人数を競い合い、レベルが低下しているという批判も耳にします。
そこで、本県を見てみますと、県都甲府には駅からほど近いところに甲府城があります。
国民文化祭では多くの県外からの来訪者があるということですから、駅から徒歩で行ける会場として、甲府城で何らかのイベントを開催することは、中心市街地の活性化を図る上からも非常に効果的であると思います。
かつて、江戸時代には、甲府は江戸と肩を並べるほどの文化度の高い地域であり、小江戸と呼ばれ、歌舞伎なども、江戸での興行前に甲府の「亀屋座」でその評価を試すなど、芸術面でもレベルが高かったと言われています。
さらに、甲府に縁の深い太宰治をして、「きれいに文化のしみ通ったまち」と言わしめる風格を備えた地域でもありました。
こうした甲斐の歴史や伝統文化、郷土がはぐくんできた地場産業など、山梨らしさを文化の面から全国にアピールするべきと考えます。
そこで、まず、国民文化祭の開催に合わせて、甲府城をどのように活用していくのか、知事の御所見をお伺いいたします。
また、甲府城を活用するためには、国民文化祭に向けて、さらなる整備をすべきではないでしょうか。
平成十七年度に設置した甲府城跡保存活用等調査検討委員会は、四年間にわたって調査検討を進めてきており、最終年度である本年度中には、その検討結果が報告されると聞いています。
これまでの調査の中で特筆すべきは、本年二月に京都大学工学部建築系図書室で発見された「甲府城並近辺之絵図」であります。江戸時代前期の甲州街道や甲府城下町、さらには、鉄門や銅門など城内の建物の姿やその規模が詳細に描かれている極めて貴重な資料であり、今後の甲府城整備の大きな参考となるものと評価しています。
こうしたことから、甲府城跡保存活用等調査検討委員会の報告を踏まえた上で、鉄門や銅門を復元するなど、甲府城のさらなる整備を進め、甲府城を核としたまちづくりを進めることが、県都甲府の魅力を引き出し、国民文化祭の会場としての魅力も、より向上するものと確信しております。
そこで、甲府城の今後の整備について、知事の御所見をお伺いいたします。
次に、甲府市中心市街地の活性化対策についてお尋ねいたします。
甲府市の中心市街地は、江戸時代中期、柳沢吉保によって、甲府城を中心とした城下町が整備され、繁栄の基礎が築かれたと言われており、その後も、明治、大正、昭和と、本県の政治、経済、文化の要衝として大きな役割を果たしてきました。
しかしながら、こうした栄華は過去のものとなり、甲府市の中心市街地は、店舗数や売上高が大幅に減少し、空き店舗が目立つとともに、まち中の歩行量も落ち込むなど、空洞化が進んでおります。
商圏実態調査を見ても、郊外への大型店の相次ぐ出店によって、買い物場所としてのシェアは奪われ、甲府バイパス沿いが七・四%、昭和町が一〇・二%、旧田富町が九・七%となる一方、甲府市中心部はわずか三・八%に落ち込んでおります。
このような状況に対し、これまでも甲府市の中心市街地では、来街者をふやし、かつてのにぎわいを取り戻すため、さまざまな施策を展開されましたが、活力を取り戻すまでには至らず、今や、甲府市の中心市街地を本県の表玄関としてふさわしい場所へと再生させていくことが、喫緊の課題となっております。
こうした中、先月、甲府市中心市街地活性化基本計画が内閣府から認定されました。
宮島甲府市長は「認定は中心市街地活性化のスタートであり、すべての関係者が参加者としての意識を持って取り組むことが重要である」とコメントされましたが、私は甲府市との連携はもちろんのこと、県も中心市街地活性化の参加者の一員として、主体的に取り組むことが必要であると考えております。基本計画の策定に当たっては、県も積極的に支援したと思いますが、今回の認定は、県を含めたすべての関係者が、甲府市中心市街地の活性化に全力で取り組むための最大のチャンスであると思います。
そこで、今回認定された甲府市中心市街地活性化基本計画の実施に当たり、県としてどのように取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いします。
次に、臨床研修医の確保についてお尋ねいたします。
本県の地域医療は、医師不足により大変深刻な状態に陥っています。
県においては、医学生への奨学金の交付事業など、医師確保に向けた取り組みを行っていることは承知しておりますが、一人前の医者となるためには十年程度かかると言われている中、一日も早い改善が求められているこの問題への対応としては不十分ではないかと思います。
医師不足問題の解消を図るためには、まず何よりも、この問題の主要な原因と言われている臨床研修制度に着目し、本県の実情を踏まえた対応策を速やかに実施することが必要であると考えております。
平成十六年度から、医学部を卒業した医師は二年間の臨床研修を受けることが必修化されましたが、研修先を自由に選べるようになったことから、都市部の民間病院へ研修医が集中し、これに起因して、地域の医療機関において深刻な医師の不足を招いたと指摘されています。
このため、本県の地域医療を立て直すには、臨床研修医を一人でも多く県内に確保することが必要ですが、本年十月に発表された臨床研修医のマッチングの結果を見ると、本県の実情は極めて厳しいものと言わざるを得ません。
県内の七病院においては、八十九人の研修医の募集を行いましたが、三病院でマッチングがゼロ、内定者は四十八人にとどまっており、充足率は昨年度より低下しております。
一方で、長野県の佐久総合病院は、例年、募集数を上回る応募者があり、本年度も一〇〇%の充足率を誇っています。
佐久総合病院は、ここで学べば医師としての腕が磨ける、働きがいが得られると研修医に期待を抱かせ、研修医を引き寄せる、いわゆるマグネットホスピタルであります。
地方にあっても、病院に魅力があれば、都市部以上の成果が得られることは、今回のマッチングの結果を見ても明らかであり、首都圏に隣接する本県において、病院の魅力が高まれば、多くの研修医を確保できるものと考えております。
医師不足の解消は喫緊の課題であります。
このためにも、臨床研修医を本県に早急に確保することが必要であり、県が率先して、病院の魅力向上を図る取り組みを行うべきと考えますが、県の方針と今後の対応についてお伺いいたします。
次に、地球温暖化対策の取り組み方についてお尋ねいたします。
先月、次期アメリカ大統領のオバマ氏が、地球温暖化問題に積極的に取り組む環境政策構想を発表しました。
これまでアメリカは、温室効果ガスの排出削減目標を定めた京都議定書に参加していませんでした。
そのアメリカが、二〇一三年からのポスト京都議定書に積極的に関与する考えを示すとともに、二〇二〇年には、京都議定書の基準年である一九九〇年レベルに温室効果ガスを削減する中期目標を設定するというものであります。
こうしたアメリカの取り組みは、これまで京都議定書に参加していなかった中国やインドなどにも影響を与えるものとなります。
地球温暖化問題は全地球的な課題でありますが、国や自治体、事業者や個人がそれぞれの責任と役割を持って、温室効果ガスの削減に取り組んでいくことが大切であります。
こうした中、県は、今議会に地球温暖化対策条例を提案しています。
条例の検討過程においては、実効性を疑問視する意見もあったとのことでありますが、私は、条例は基本的な方針や枠組みを示すものであり、実効性ある温暖化対策に取り組んでいくためには、この条例を受け、より具体的な対策を盛り込んで策定される地球温暖化対策実行計画が重要と考えています。
山梨県の「水」「空気」「豊かな自然」などは貴重な財産であり、将来の道州制への移行を考えたとき、首都圏にあって環境面で大いにアピールできるものであり、そこに本県の大きな存在価値があると確信しております。
地球温暖化対策実行計画を策定するに当たっても、こうした本県の自然環境を生かし、積極的な対策に取り組んでいくことを期待するものであります。
そこで、県では、どのような地球温暖化対策実行計画を策定していくのか、お伺いします。
次に、新たな観光資源の創出について伺います。
本県は富士山を初めとする自然景観や温泉、フルーツ、良質な水など、さまざまな観光資源に恵まれています。
また、首都圏から近いという好立地もあり、昨年の観光客数は四千八百二十八万人と過去最高でしたが、国をあげて観光に取り組む中にあって、地域間競争がますます激しくなっており、今後さらなる観光振興を図っていくためには、多様なニーズに対応する新たな観光資源の掘り起こしが必要と考えます。
こうした中、物づくりの現場や歴史的・文化的に価値のある工場や機械などの産業文化財、また、その生産工程の紹介を通じて、物づくりの心に触れることを目的とした産業観光が、新たな旅行形態として全国的にも注目されています。
日本一の製造品出荷額を誇る物づくり王国愛知県では、平成十三年「産業観光サミットin愛知・名古屋」において「産業観光推進宣言」を採択し、各企業の積極的な参加を得て、それぞれの企業の生産現場などを一般の方々が簡単に見ることができるシステムづくりに取り組みました。
その結果、トヨタ自動車から八丁味噌などまで製造過程を消費者に直接見てもらいながら製品への理解を得ることにより、産業文化の発展と、人と人との交流促進、地域の活性化に大きく貢献しています。
産業観光は、愛知県のような大型の工業を対象としたものばかりに限るものではありません。
本県にも、宝飾やワイン、印伝・印章・和紙などの伝統工芸など、全国に誇れる特色ある産業が多くあり、こうした地場産業こそ山梨ならではの産業観光に生かせるものと考えております。
また、産業観光においては地場産業関連の近代遺産の活用も重要であります。私は、山梨市にある乙女鉱山跡は、産業遺産として大きな可能性があると考えています。
乙女鉱山は、明治初期から水晶の産地として大変有名でありましたが、昭和五十年代半ばに閉山された鉱山であり、本県宝飾業のもとである水晶研磨加工を支えた歴史的に価値のある産業遺産であると考えております。
甲州市勝沼では、JRの廃トンネルをワインカーブや遊歩道に再生させるとともに、ワイン醸造関連の産業遺産を新たな観光資源として取り組んでいます。
こうした産業遺産などの新たな観光資源を掘り起こすことが、訪れる観光客の多様なニーズにこたえ、本県観光の魅力をさらに向上させることになり、観光客誘致につながるものと考えますが、御所見をお伺いします。
次に、新たな長期的観光イベントの開催について、お尋ねいたします。
三カ月から半年、一年と、ある程度長期間にわたるイベントの開催は、昨年の風林火山博や光のピュシスのように、県外からの観光客も含め、一定の集客効果があったと思います。
しかし、来年からはこれらのイベントもなく、信玄公祭りも短期間の開催であり、これといった集客効果のある長期イベント開催の予定はないように思われます。
そこで、春の武者祭りである信玄公祭りに対して、秋の仮称「小江戸・甲府城下町祭り」のような新たな長期イベントを開催する必要があると思います。
江戸中期以降の甲府商人の隆盛に伴って「当国一大盛事」と賞された道祖神祭は、商家の軒先に張りめぐらせた長さ十メートル幅一メートル六十センチの長大な飾り幕絵を、町内ごとに蘇我物語や京都名所などの画題を決め、京都の絵師や江戸の浮世絵師に幕絵の制作を依頼して、趣向を凝らして競い合ったものであります。
初代安藤広重・絵師名歌川広重などの人気浮世絵師を招いて、得意の画題で幕絵を描かせ、みやびな美しさを誇ったこの祭りも、そのぜいたくさゆえに明治五年に廃止されてしまいました。
今でも初代広重の「目黒不動之瀧」や二代目広重の「州崎潮干狩」の幕絵は、県立博物館に所蔵されています。また、初代広重筆の「東海道五十三次画稿」三十九枚と幕絵をどの商家に飾るか割り振った「幕番付」も現存しています。
この広重筆の三十九枚の下絵を拡大し再現することは十分可能であり、これら他県にはない独自の幕絵のレプリカを、甲府城広場を中心に商店街に張りめぐらせ、幾つかのイベントを連動させる「小江戸・甲府城下町祭り」を開催すれば、仙台の七夕祭りや青森のねぶた祭り以上にみやびで歴史観あふれる美しい祭りとすることが大いに期待できるものであります。
春の武者祭りである信玄公祭りと対比する、長期的開催が可能な集客力のある秋の一大イベントとして復活、実施できないものか、御所見をお伺いします。
次に、食料自給率の向上について伺います。
我が国は、自由貿易体制の中で著しい経済成長を遂げてまいりましたが、その代償として食料自給率を次第に低下させてきております。
食料品の輸入比率拡大の結果、日本人が消費する食料の相当部分が輸入に頼ることになり、いわゆるカロリーベースの食料自給率は、先進国の多くが一〇〇%を超える中で、最低の四〇%という現状であります。
主要な穀物、肉類は、米を除いて軒並み大きく一〇〇%を下回り、大豆に至っては五%となっています。
私たち日本人になじみのみそ、しょうゆ、豆腐の原料は、ほとんど外国産の大豆に頼っています。
ところが一方で、ことし、世界各地で同時多発的に食料危機が起きております。
我が国でも食品の値上げが相次ぎ、飼料の高騰で畜産業などには深刻な影響が出ています。なぜこんなことになったのか。
その原因の一つは、世界の食料生産を支えてきたアメリカ等の食料供給国が、より利益の大きいバイオエタノールの生産に重点を移していることや、これまで食料輸出国であった国々が、国内事情で輸入国に転落しつつあることなどが挙げられております。
安い食料を安定的に輸入できるという前提は崩れつつある、と考えざるを得ない現実に直面しているのであります。現に世界各国で、必要な食料を確保しようという動きが加速しています。
多くの日本企業が穀物の有望産地として注目するウクライナも、食料確保を狙うリビア、サウジアラビアなどの国々が殺到し、また、穀物メジャーも巨額の資金を投じて支配の強化を図っていると報道されています。
また、輸入食品の安全性に疑問を抱かせる事件も多発しております。
こうした諸事情を勘案したとき、輸入に頼る日本の食料事情は多くの問題を抱えており、国内生産の食品を地産地消する方向へ転換する時期ではないかと考えております。
「果樹王国やまなし」という言葉から、農業生産が盛んで自給率は高いとのイメージを持っておりましたが、カロリーベースで見た本県の食料自給率は意外に低く、二〇%であります。
世界的に見て非常に低い我が国の自給率のさらに半分で、東京・大阪等の大都市を含めても下から十番目という現状であります。
食料の安全保障は、まさに国の政策と言えるのかもしれませんが、地方の集合が国であり、本県としても食料自給率の向上を図っていくことが必要であると考えます。
私は、先日、輸入飼料から自前の飼料に転換し、好成績をあげる畜産農家の姿を紹介したテレビ番組を見ましたが、こうした取り組みの積み重ねが重要であると思います。
そこで、本県における食料自給率の向上につながる取り組みの推進について、御所見を伺います。
最後に、教育振興基本計画の策定について、お尋ねします。
私は、以前、北欧のフィンランドを訪れ、学校教育の現場を視察する機会があり、その密度の濃さを目の当たりにして、国による教育方針の差を痛感したことを記憶しています。
そのフィンランドは、世界経済フォーラムによる国際競争力ランキングで、連続四年間第一位に輝いていますが、その主な要因は、まず、教育力にあると言われております。
特に、日本やフィンランドのような地下資源に恵まれない国においては、技術開発力こそが生命線でありますが、その裏づけとなる基礎学力を見ても、国際学習到達度調査ではフィンランドの中学生たちが世界トップの成績を上げております。
こうした例を見ても、私は、今、大切なことは、将来の日本や山梨県を支える子供たちの基礎学力をいかに向上させるか、そのための教育をどうするのかであると考えています。
また、本県は中学校の不登校率が全国ワーストワンという憂うべき状況であり、こうした心の問題も大切であります。
去る三日よりパブリックコメントを開始し、本年度中の策定を予定している教育振興基本計画においては、こうした本県の厳しい状況をしっかりと把握し、総花的に問題点をとらえるのではなく、重点的な教育政策を明確に打ち出した計画を策定すべきであると考えます。
また、計画策定に当たっては、よりわかりやすくという点に配慮することが必要であり、その努力が多くの県民が教育に関心を持つことにつながると思います。
さらに、本県が明るく豊かな未来を切り開いていくためには、社会の存立基盤である教育について、これからの新しい時代におけるあり方を考え、社会で自立して生きていける人材の育成、山梨県の地域特性を生かした地域ぐるみの人づくりや、ふるさとを愛する心をはぐくむ教育の推進も重要であると考えております。
そこで、教育委員会は山梨県教育振興基本計画をいかなる目標のもとで、本県ならではの特色を備えた上で、どのような点に重点を置いて策定するのか、お考えをお伺いいたします。
以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
横内知事
皆川議員の御質問にお答えをいたします。
ただいまは、自民党新政会を代表され、開かれたわかりやすい議会を目指し、県民目線のスタンスを大切にしていくという政治姿勢を披瀝されながら、県政各般にわたり御質問をいただきました。
また、私の知事に就任して以来取り組んでまいりました県政運営に対し、御評価をいただくとともに、県議会の立場から明るい未来につながる議論を展開することにより、県政を支援していくとのお言葉をいただき、心から感謝申し上げます。
世界的な景気後退局面を迎えているこの正念場を乗り越えて、将来に向かって夢と希望が持てる山梨づくりを推進するために、県職員の先頭に立ちまして、全力を傾注していく所存でありますので、一層の御支援、御協力をお願い申し上げます。
初めに、補助金不正経理問題と地方分権の推進について、御質問がございました。
まず、国庫補助金の不正経理問題についてでございます。
会計検査院の平成十九年度決算報告によりますと、御指摘がありましたように、十二道府県において国庫補助事業にかかわる事務費の支出について、合計五億五千万円を超える不適正経理等の状況が報告されております。
このような問題を生じたその原因の一つとして、国庫補助金の使途が細分化され、余りにも細かく制限されているという国庫補助金自体の問題があるということは、議員御指摘のとおりでありますが、同時に改めて、公金を取り扱うということの責任の重さをこの機会に認識すべきであると考えております。
なお、本県におきましては、他県で見られたような「預け」とか「架空請求」といった組織的、意図的な不正経理は一切行われていないと考えております。
一方、会計検査院との見解の相違であるとか、事務処理ミスにより不適正な処理とされるものがないとは言えませんので、現在、これらのことについて再点検を進めているところでありますが、今後とも国庫補助金に係る事務手続の一層の適正化に努めてまいる考えであります。
次に、この問題に関連して、地方分権の推進について御質問がございました。
現在、国では地方分権改革推進の論議が進み、きのうは地方分権改革推進委員会の第二次勧告が出されたところでございますけれども、知事会におきましても、地方主権の分権改革推進に向けた取り組みを進めてきたところであります。
議員御指摘の国庫補助金の見直しにつきましても、私が所属しております地方分権改革推進特別委員会のプロジェクトチームの中で鋭意検討を進め、国への要請を行っております。
県におきましても、十二月二日に行いました国への要望活動において、地方主権の確立について要望し、国庫補助金の一般財源化等も含む地方税財源の充実強化を強く訴えてきたところでありますが、今後も全国知事会を初め、あらゆる機会を通して、地方分権改革推進に向けて、より積極的に取り組んでまいる考えであります。
次に、甲府市周辺の新都市拠点整備事業と県事業との連携について、幾つかお尋ねがございました。
まず、甲府市との連携等についてであります。
北口地区は、江戸や明治などの各時代の風景を今に伝える施設やまち並みの整備が進められるとともに、著名な建築家である丹下健三氏が設計した建物があるなど、個性豊かな景観が形成されつつあります。
こうした中にあって、特に公共施設である新県立図書館につきましては、周辺景観との調和を保ちつつ、上品で美しい建物にしたいと考えております。
また、だれもが利用しやすい施設としていくためには、甲府駅からのアクセス面での利便性を高めることが重要でありますので、駅前広場やペデストリアンデッキを整備する甲府市との協議を進めているところでございます。
さらに、過日、甲府市を初め、国、NHKなどのシビックコア地区に施設を持つ関係機関による連絡会議が設置されたところでありまして、こうした連絡会議を通じて関係機関との情報を交換し、相互の連携を図りながら、この地区が県都の玄関口にふさわしいものとなるよう努力をしてまいりたいと考えております。
次に、県庁舎の整備について、幾つか御質問がありました。
まず、第一の御質問の新庁舎の一階の施設内容についてでございます。
現在、県都甲府市の中心市街地の活性化は喫緊の課題となっており、県内外から多くの方々が訪れる甲府駅と甲府市中心街との間に位置する県庁舎の整備に当たっては、にぎわいの創出に十分配慮する必要があると考えております。
このため、新庁舎の一階部分については、「本県が世界に誇る地場産品や観光資源等のやまなしブランドを広く情報発信し、活気やにぎわいを創出する場」とすることを基本的な方向として、具体的な施設内容を検討しているところであります。
現在、検討している施設としましては、観光客や県民がたびたび訪れたくなるような魅力ある施設として、ジュエリーやワインなど本県を代表するすぐれ物を展示販売する場や、観光客のさまざまな相談に応じられる場とか、さらにはオープンカフェや小規模コンサートなどのイベントができる場などが、検討の対象となっております。
また、施設内容の検討に当たりましては、甲府市、商工会議所等とも協議しながら、甲府紅梅地区再開発ビル、甲府市新庁舎、甲州夢小路などとの相乗効果が得られるように工夫していきたいと考えております。
今後、議員の御提案も十分参考にしながら、施設内容、事業スキームの検討を進め、本年度策定する県庁舎耐震化等整備基本計画に盛り込んでまいりたいと考えております。
次に、御質問の第二点として、別館及び議事堂の文化財登録について、御質問がありました。
別館と県議会議事堂は、県教育委員会編集の「山梨県の近代化遺産」において、質・規模・意匠のいずれの面からも貴重な遺構として報告されておりまして、文化財保護法に基づく有形文化財の国登録基準や、県の指定基準も十分満たしているものと考えられます。
このため、文化財としての価値を明確にし、末永く保存活用していくという観点から、有形文化財の国登録、または県指定を受けるための具体的な検討を開始したいと考えておりまして、今後、県議会の御意見も伺ってまいりたいと考えております。
なお、御質問の中にある資料館的な活用との御提案につきましては、県民に利用しやすい県庁とするため、本館を中心として、なるべく課室の集約を図っていく必要があるという中で、執務室として利用することを第一に考えていく必要がありますけれども、文化財的な価値の高い旧知事室などは、一般の方にも見ていただけるような工夫ができないか、検討してまいります。
次に、国民文化祭における甲府城の活用についてでございます。
国民文化祭は、多彩な文化活動について全国規模で発表する機会を提供すると同時に、新たな芸術文化の創造をねらいとして開催される国内最大級の文化の祭典でありまして、山梨の魅力を全国に発信できる絶好の機会だと考えております。
現在、この国民文化祭の骨格となる基本構想を策定するための検討委員会を設置いたしまして、県内外から多くの参加者や観客が訪れていただけるような魅力あるイベントとなるよう、構想案の策定を進めているところであります。
開催に当たりましては、県内各市町村に開催地となっていただきまして、そこで設置する実行委員会において、関係団体と連携を図る中で、各イベントの内容や会場選定を行っていただくことになります。
甲府城は、山梨を代表する歴史的資源であるとともに、中心市街地に位置し、甲府駅に近いという地の利もありますので、国民文化祭においてはイベント開催の有力な候補地となり得る場所であります。
県といたしましても、地元甲府市や関係団体の意向を十分踏まえながら、こうした貴重な資源の有効活用が図られるように検討していきたいと考えております。
次に、甲府市中心市街地の活性化対策について、御質問がございました。
甲府市の中心市街地は言うまでもなく山梨の顔であり、県民が長年にわたりはぐくんできた共有の財産でありますので、その再生は山梨県全体にとっての重要な課題であります。
このため、紅梅地区再開発の支援とか、宝石美術専門学校を都心部に移転整備をするといったことを進めると同時に、本年度は中心市街地での「ヴァンフォーレ広場」や「やまなしヌーボーフェスティバル」の開催に助成をするというようなことなど、町なかのにぎわいの再生にも取り組んでまいりました。
また、甲府市中心市街地活性化基本計画の策定に対しましても、積極的に支援をしてきたところであります。
こうした中で、このたび、この甲府市中心市街地活性化基本計画が内閣総理大臣から認定を受けたことは、まことに喜ばしいことでありますけれども、中心市街地の厳しい現状を踏まえますと、関係者におかれては、今回の認定を活性化のラストチャンスととらえていただき、計画の実現に全力を尽くされることを期待したいと思います。
県としても、この認定を新たな契機として、計画に盛り込まれた県庁舎耐震化整備や新県立図書館の整備などを着実に推進するとともに、空き店舗対策等を初め、商店街の活性化に向けた取り組みに積極的に助成するなど、全庁をあげて取り組んでいきたいと考えております。
今後とも、県と甲府市の幹部職員による意見交換会がありますので、それを引き続き実施するなど緊密な連携を図る中で、甲府市中心市街地の活性化に強力に取り組んでまいる所存であります。
次に、臨床研修医の確保について御質問がございました。
臨床研修医を本県に確保するということは、深刻な医師不足の問題を解消する上で有効でありまして、取り組むべき重要な課題と考えております。
本年度の本県の臨床研修マッチング率は五三・九%であり、全国平均の六九・六%を下回っておりますけれども、全国平均を上回っているのは、東京都や神奈川県などの十都県のみで、その多くが大都市であります。
このため、県におきましては、研修医の大都市への集中が是正されるように、都市部の臨床研修病院の定員の見直しについて、国への提案・要望の場だとか、あるいは全国知事会等を通じて求めているところであります。
また、平成十八年度にすべての臨床研修病院、県、医師会から構成される臨床研修病院等連携協議会を設置いたしまして、東京で開催される、医学生を対象としたPR事業への参加とか、指導医講習会の開催など、臨床研修医の確保に向けて、関係機関が一体となって取り組んでおります。
しかしながら、臨床研修医の確保の状況は十分ではないという状況でありまして、さらなる充実強化が必要と考えております。
研修医を一人でも多く確保するためには、議員の御指摘のとおり、県内の臨床研修病院の魅力を高めていくことが、何よりも重要であります。
このため、研修先を選択する際の大きなポイントとなっている研修医に対する指導体制ということについて、今後、それぞれの病院において一層充実が図られるように、連携協議会において、必要な方策の検討を進めてまいります。
あわせて、本年度中に、地方にありながら高いマッチングを誇る他県の病院から関係者を招き、本県の臨床研修病院の指導医、研修プログラム担当者等が先進事例を学ぶ機会を設けまして、それぞれの病院が研修先として魅力ある病院になるように取り組みを促していきたいと考えております。
次に、地球温暖化対策の取り組みについて、御質問がございました。
地球温暖化を防止するには、中長期的な視点に立って、地域の実情や特性を踏まえて取り組んでいくことが不可欠であります。
このため、条例に基づく地球温暖化対策実行計画の策定に当たりましては、温室効果ガスの排出抑制について、短期の数値目標だけではなく、中長期の目標も掲げまして、計画的な取り組みを推進していきたいと考えております。
また、本県は、太陽光や小水力、バイオマスなどの再生可能エネルギーに恵まれておりまして、二酸化炭素の吸収源としての森林も豊富でありますので、実行計画におきましては、こうした本県の自然特性を生かした対策に重点的に取り組んでまいる所存であります。
さらに、本県の温室効果ガスの排出の実態を踏まえて、産業と運輸と民生といった各部門ごとの削減目標や、よりきめ細かな対策を盛り込むとともに、県庁としての率先した取り組みについても、あわせて盛り込んでまいります。
現在、環境やまなし創造会議におきまして、地球温暖化対策を初め、本県の総合的な環境政策のあり方について検討をいただいておりますので、今後は、この会議の意見を反映させるとともに、パブリックコメントなどを通じ、幅広く県民や事業者の皆さんの御意見をいただきながら、実行計画の年度内の策定に取り組んでいきたいと考えております。
次に、新たな観光資源の創出についての御質問がございました。
観光振興を図るためには、豊富な観光資源を生かすことはもちろん、多様な観光ニーズに合わせて、潜在的な観光資源にスポットを当てて活用していくということ、また、産業観光のように、物づくりの工程や産業遺産などを新たな観光資源に再生しようとしていくというようなこと、そういった取り組みが大切だと考えております。
このため、生産現場などの見学を受け入れる企業の拡大に努めるとともに、山梨県中小企業団体中央会が産業観光に関するガイドブックを作成したり、体験型の見学会を実施したり、ホームページを作成したりするなどの取り組みを進めておりますので、これを支援し、地場産業の観光への活用を図ってまいります。
また、ワインを生み出した甲州市の近代化産業遺産群は、長い歴史の中で培ってきた物語を背景に、地域が主体となって、これらと現在のワイナリーなどとを組み合わせた新たな観光資源とする取り組みを行ってきたところです。
ことしは新たな取り組みとして、「ワインツーリズム二〇〇八」というものを実施いたしましたが、従来からこの地にあるぶどう畑の広がる景観や、ワイナリー、トンネルワインカーブやワインセラーなどの近代化産業遺産、そして、土地の料理や文化などをつなぐことによって、新たな魅力を創出し、多くの観光客を誘客することができたものであります。
それから、乙女鉱山跡を産業遺産として活用したらどうかという御指摘がありましたが、これにつきましては、安全確保のために大規模な対策が必要となるということとか、幾つかの課題がありますので、関係業界や地域の住民、行政などと一体となって調査研究をしていきたいと考えております。
今後とも、新たな観光資源を創出していくとともに、地域の観光資源を生かし、本県の魅力を向上させ、観光客の誘致に努めてまいりたいと考えております。
最後に、新たな長期的観光イベントの開催について、御質問がございました。
長期間にわたって地域全体で開催する観光イベントは、にぎわいを創出し、本県への誘客促進に大きな効果があります。
昭和四十五年以来、信玄公祭りを開催しておりますが、これも国内から多くの観光客が訪れ、本県の春の観光シーズンの幕開けを告げるイベントとして定着をしてきております。
しかしながら、祭りの運営方法とか参加方法などの改善が進んでいないことから、参加者、観客の双方にとって、魅力が薄れてきている面がありまして、イベントや宣伝・広告等の専門家に参加をしていただきながら、信玄公祭りの見直しに取り組んでいるところであります。
この中で、甲州軍団出陣の演出とか、集客力を高めるイベントの実施、県内全域で開催される関連イベントとの連携の強化などを図り、県全体で信玄公祭りが開催され、長期間にわたるイベントになるように検討を進めております。
御提案のありました幕絵を活用した祭りの開催は、歴史的な遺産を生かした集客とにぎわいをつくり出し、地域の活性化につながるものと期待をしております。
このような祭りを継続して盛り上げて、観光振興につなげていくためには、言うまでもないことですが、住民や企業の積極的な参加など、何よりも地域の熱意と努力が必要でありますので、今後、甲府市や甲府商工会議所と連携しながら検討していきたいと考えております。
以上をもちまして、私の御答弁といたします。その他につきましては、担当の部長からお答えをさせていただきます。
農政部長
皆川議員の食料自給率の向上についての御質問にお答えします。
世界の食料需給が不安定性を増す中で、食料の六割を海外に依存する我が国においては、食料自給率の向上は国をあげて取り組まなければならない課題であります。
現在、国では、食料・農業・農村基本計画において、平成二十七年度の食料自給率の目標値を四五%とし、食料消費と農業生産の両面から自給率の向上に向けて取り組んでいますが、さらに国内農業の食料供給力を強化し、おおむね十年後には五〇%を目指して、今後、具体策を検討することとしています。
本県の食料自給率は、基幹作物である果実が、米などの穀類に比べ熱量が少ないことなどから、カロリーベースでは全国平均より低くなっていますが、本県では、果樹を中心に高収益な農業が展開されていることから、生産額ベースの自給率は、平成十七年度で九二%と、全国平均の六九%を上回っており、今後とも競争力のある果樹産地づくりなどの施策を進めていくことが重要であると考えています。
こうた状況の中で、本県においては、カロリーベースの自給率の向上に資する施策として、食料消費面については、健全な食生活を実践するための学校や地域における食育、米粉の普及啓発などによる米の消費拡大、農産物直売所の利活用や学校給食等への地元農産物の提供拡大による地産地消などを推進していきます。
また、農業生産面については、牧草地の造成や飼料作物の作付拡大、食品残渣を有効利用するエコフィードの推進などにより、飼料自給率の向上を図るとともに、県産農産物の生産拡大に向けて、農業生産基盤の整備や耕作放棄地の発生防止と有効活用、担い手への農地の利用集積などに積極的に取り組んでいきます。
以上でございます。
県土整備部長
皆川議員の北口エリアと甲府城との円滑な連絡についての御質問にお答えをいたします。
県では、JR中央線によって分断されている北口エリアと甲府城との円滑な連絡が重要であると考え、その方法について検討した結果、舞鶴陸橋の歩道拡幅が最善であるとの結論に達し、平成十八年度から設計に着手するとともに、JR東日本と協議を進めてまいりました。
本年度は、JRと施工委託協定を締結することとしており、県施工部分とあわせ、平成二十二年には完成する予定であります。
その他の連絡手段につきましては、甲府市とも連携しながら、甲府駅周辺の整備後の各施設の利用状況や人の流れなどを検証する中で、検討していきたいと考えております。
以上でございます。
教育委員会委員長
皆川議員の教育振興基本計画の策定についての御質問にお答えします。
本県教育の一層の振興を図るためには、社会情勢の変化を的確に見据えながら、新しい時代にふさわしい教育行政のあり方や施策の基本的方向を明確にすることが必要です。
このため、明年度からの五年間を計画期間とする山梨県教育振興基本計画の素案を作成し、現在、パブリックコメントを実施しているところです。
素案では、「ふるさとを愛し、世界に通じる人づくり」の基本理念のもと、「個性を生かし、生きる力をはぐくむやまなし人づくり」と、「豊かで潤いがあり、明るく活力に満ちたやまなし社会づくり」の二つを基本目標として掲げております。
この目標達成に向け、基礎学力の向上などを図る「確かな学力の育成」、不登校対策などに取り組む「豊かな心の育成」、体力の向上などを目指す「健やかな体の育成」を基本に据えながら、さらに本計画の特色として、望ましい勤労観や職業観を身につけさせるとともに、自己の個性を理解し、主体的に進路を選択する能力や態度を各学校段階に応じて系統的に育成する「体系的なキャリア教育の推進」、放課後や週末の子供たちの体験、交流の場づくりなど、地域ぐるみで子供を見守りはぐくむ「地域全体で取り組む教育の推進」、国民文化祭や富士山の世界文化遺産登録などに取り組む「文化の振興」を掲げ、六つの重点施策として位置づけています。
明年度からは、この計画を基本指針として、県民の理解と協力のもと、山梨の未来を担う子供たちが、ふるさとの自然や人々と触れ合う中で生きる力を身につけ、たくましく歩んでいくことができるよう、積極的に取り組んでいく考えです。
以上でございます。
教育長
皆川議員の甲府城の今後の整備についての御質問にお答えします。
甲府城は今までも、稲荷櫓を初め、門や石垣等の整備を行い、観光拠点や歴史学習の場として活用されており、甲府のまちづくりを進める上で重要な役割を担ってきました。
平成十七年度に甲府城跡保存活用等調査検討委員会が設置され、甲府城にかかわる未発見資料を追跡し、天守閣復元の可能性を含めた広範な調査、検討を行ってきましたが、今月には最終の委員会が開催され、四年間の成果がまとめられることとなっています。
この委員会の調査では、天守閣にかかわる新たな資料は見つからなかったものの、京都大学に収蔵されていた「甲府城並近辺之絵図」には、甲府城内に存在した櫓門などの姿と規模が具体的に描かれており、このうち鉄門跡・銅門跡にある礎石の規模と相違しないことが確認されています。
このような調査成果を盛り込んだ概要を今月の委員会後に報告いただけると聞いております。
今後は、この委員会の報告内容を精査した上で、県民のコンセンサスを得ながら、甲府城のさらなる整備活用に向けて具体的な検討を進めるとともに、周辺の整備についても、歴史的景観などに配慮したまちづくりが図られるよう、甲府市と協議を進めてまいります。
以上でございます。
皆川議員
おおむね前向きな答弁をいただいたと思いますが、二点ほど再質問をさせていただきます。
一つは、新たな長期的観光イベントの開催についてでありますが、先ほどの答弁でありました信玄公祭りについてでありますが、随分長い間、信玄公祭りも短期間という形で開催されてきたわけですが、その間にいろんな御意見がありまして、改善を加えてきたとは思いますが、なかなかこれが並大抵のことでは、長期的なイベントにかわることは難しいんじゃないかなという気がいたしております。
それよりはむしろ思い切って、ここで新たな長期イベントをしっかり考えていったほうが、観光立県山梨には役に立つんじゃないかなと、そんな気がしております。
そこで、先ほど知事から大変いい答弁をいただきましたけれども、大体こういう質問に対しますと、ほとんど地元の住民の熱意が大事であるとか、商工会議所、その他の関係者の熱意によって、そういう雰囲気が醸成されるというような形になるんですが、やはり行政としても、ここはというときはそれを引っ張っていくような、住民たちの熱意を喚起するような、そんな御指導をいただけたらいいんじゃないかと思っておりますので、そんな前向きな熱意を持っていただけたら、ありがたいなと思っております。
それからもう一点でありますが、さっきも言った教育振興基本計画についてでありますけれども、こういう基本計画というのは、教育関係者の間で読まれる分には、さほど影響はないと思うんですけれども、一般の方々が読んだとき、全然わからないというか、難しく書いてあり過ぎることが結構多いんですよね。そういう意味では、わかりやすさということは、非常に私は重要だと、先ほどの質問の中でも言っておきましたけれども、わかりやすいということが、理解を得るということに結びつくんじゃないかと思うんですよね。
そういう意味で、例えば体系的なキャリア教育というように言われましたけれども、キャリア教育と急に一般の人に言われても、どういうことなのかわからないと思うんですよ。
そこはやっぱりわかりやすい日本語を使って、簡明な文章にしていただければありがたいなと思いますけれども、この点について、もう一回お伺いしたいなというように思います。
以上です。
観光部長
皆川議員の新たな長期的観光イベントの開催についての再質問にお答えをいたしたいと思います。
まず、信玄公祭りにつきましては、来年が三十九回、その次の年が四十回という節目の年になりますので、それに向けまして、先ほど知事から御答弁申し上げましたように、抜本的な改革というか見直しを行いまして、長期間の、月単位で開催できるようなイベント、甲府だけではなくて、もっと県下全体に広がるようなそういったお祭りに発展的にしていきたい。そういう検討を進めているということでございます。
また、御提案いただきました幕絵を生かした集客とにぎわいをつくり出すイベント、仮称「小江戸・甲府城下町祭り」の開催、こんな御提案でございましたけれども、本県への誘客促進に大きな効果をもたらすとともに、地域の活性化にもつながるものと期待しております。
こうしたイベントにつきましては、やはりその地域ならではの独自性というのが非常に大事だということ。それから、そこの地域に住んで、暮らしておられる人たちが楽しんだり、喜んだり、誇り得る、そういったものであることが大事だと思います。
そうしたことから、小江戸甲府城下町祭りの実現に当たりましては、何よりもまず熱意ある地域の自発的な取り組みと努力の結集が必要であると考えております。
今後は、地域の機運の高まりが醸成される中で、甲府市や商工会議所等と連携をしながら検討していきたいと考えております。
以上でございます。
教育長
皆川議員の再質問にお答えします。
教育振興計画につきましては、教育関係者だけでなく、県民の御理解と参画をいただく必要があることから、専門的な用語には今以上に注釈をつけるとともに、できるだけわかりやすい表現に努め、策定してまいります。
なお、キャリア教育に言及をされましたが、今回、計画の特色であるキャリア教育につきましては、国の教育振興計画の中の施策の一つとして、キャリア教育という言葉が取り上げられております。
県民の理解を得ることは必要でありますので、本計画の施策の方向の一つとして、キャリア教育の理解と実践という項目を設定し、家庭への積極的な情報発信や企業関係者との連携強化の中で、保護者や企業関係者への理解を深めていくよう取り組むこととしております。
以上でございます。
皆川議員
先ほどの答弁、長期イベントの開催についての再質問に対する答弁につきましては、かなり難しいとは思いますけれども、行政は、先ほど言いましたように、地域で熱意が醸成されるまで待つというような待ちの姿勢ではいけないと思うんですよね。こういうふうに長期イベントがなくなってしまうという状況が来たら、それはむしろ、地域の熱意を醸成するような、逆に行政のほうでアプローチするといいますか、指導していくというような、私はそんな積極的な指導といいますか、そういうことを求めたわけでありますけれども、先ほどの御答弁は何か最初の質問の答弁と同じようだったので、いま一度、熱意を示していただけたらありがたいと思います。
観光部長
皆川議員の再質問にお答えをいたします。
県としても一生懸命かかわっていくし、応援もしていくんですけれども、やはり最初の核になるところというのは地元の人たちであり、地元の団体であり、そういうものと県が一緒になってやるということが基本で、やっていくのではないかと思います。
積極的に相談に乗ってとか一緒にやっていくということでは行きたいと思いますけれども、スタートするもとは、やはりそこが基本になると考えております。
以上でございます。