皆川議員

私は、自由民主党の立場から、今議会に提出されました案件並びに県政一般について質問いたします。
 まず、このたびの敬宮愛子様の御誕生は、国民にとってこの上ない喜びであり、心からお祝いを申し上げます。
 敬宮愛子様の健やかな御成長を心から御祈念申し上げる次第であります。
 さて、私は、本年五月に、我が党の同期議員五名とともにヨーロッパ四カ国の視察をしてまいりました。
 各地を回りいろいろ感じたところがありましたが、最も感銘を受けたのは、それぞれの国、地域の人々が自分たちの国や地域をいかに愛し、誇りを持っているかということであります。
 そうした祖国への熱き思いが、長年にわたって我が国、我が町をしっかりと支え、国や町の歴史をつくり上げているのだと思います。
 世界的同時不況の進行や、日本においても凶悪犯罪の多発や狂牛病の発生を初めとする安全神話の崩壊など、国内外の情勢とも出口がまだ見えない状況でありますが、こういうときだからこそ、住民に身近な地方の政治にかかわる私たちがもっと元気を出して頑張らなければと思いを新たにするものであります。
 「地方豊かならずして国は栄えず」とも言われます。
 今こそ、地方自治の原点に立ち返り、全国に向けて特色ある山梨のさまざまな情報発信をより活発にしていくことが肝要であります。
 幕末の思想家吉田松陰は、「国の最も大とするところのものは、華夷の弁なり」と述べております。
 自分の生まれたところがどんな地であろうと、その場所で励めばそこが華だというのであります。
 私は、山梨をこそ華、いわば「華」にしなければならないと常々思っております。
 ふるさと山梨を他のどこにも負けない地にするために、幸住県計画を力強く推し進める天野知事とともに全力を尽くしてまいりたい、そんな思いを抱きながら、以下質問に入ります。
 初めに、甲府城の整備とこれを活用した観光等の振興策についてお尋ねします。
 私たち山梨県民にとって、一つのロマンをかき立てる史跡甲府城の整備は、平成二年度から穴太積みによる石垣の修復、白壁による塀や門が復元され、本年三月には懸案の稲荷櫓の建設に着手されたところであります。
 こうした甲府城の歴史的建造物が一つ一つ往時の姿をあらわすにつれ、郷土の歴史やその文化的資産の重みを一層感じることができます。
 しかしながら、残念なことにこの公園整備計画は、現在進められている稲荷櫓の建設をもって一応の完了を見ると伺っております。
 城のシンボルとも言うべき天守閣のない城を完成させても、極めて中途半端な、また不自然なものとなり、県民の願いにこたえることができないばかりか、来訪者の心をとらえることもできないのではないでしょうか。
 全国における城の復元は、金沢城の菱櫓、熊本城の西出丸一帯の整備など数カ所で進められており、また、愛媛県の大洲城跡では、木造四層四階の天守閣を復元する計画に着手するなど、今、ふるさとの城復元事業は静かなブームになっております。
 そして、こうした城の復元は、文化財の復元ということはもとより、美しい景観や観光スポットとして人々の心に働きかけ、地域を活性化させる拠点づくりという側面を強く持っております。
 全国には、城を中心とした地域の歴史的資産を見直すことで地域の衰退を克服した例は幾つかあります。
 例えば長浜市であります。長浜市は、琵琶湖のほとりにあり、かつては北国街道と中山道の分岐点を押さえることができる戦略の要衝であり、天正三年、一五七五年に羽柴秀吉が入城し、今浜の地名を長浜と改めた太閤秀吉ゆかりの地であります。
 その長浜市では、今、「黒壁スクエア」を核とする古い町並みを生かした商店街の活性化策が功を奏して、年間百万人もの観光客が訪れるようになり、その八割以上が県外客で、しかも、若い女性のリピーターが目立つ観光都市になっております。
 そして、この再生の発端となったのが、昭和五十八年に再興された長浜城であります。
 この長浜城は、江戸時代前期に廃城となり、城の遺構は彦根城などに移されたことから、当時の城の位置や建築様式などを知る由もなく、たった一枚残された規模を示す絵図をたよりに再建された城であります。
 先般、私もこの長浜を観光客の一人として訪れ、黒壁スクエアや長浜城など、人々を引き寄せる家並みの魅力を肌で感じ、また、そこに息づく商店街の人々の暮らしに接してまいりました。
 この長浜の取り組みの経緯について、市のホームページでは、「長浜城の再興を機に、市民の中に脈々と流れる進取の気性、先取りの気性が眠りから覚めたように活動を再開することとなる。いつの時代もまちづくりの火種は市民の中に温存されており、この事業をスタートに、行政との協働作業によるまちづくりシステムが構築されていった。」と表現しております。
 これは、まさに私ども山梨に当てはまるものだと思います。
 いくら町並みを整えても、道路を拡幅しても、県民の自信と誇りを呼び覚ます核がなければ町の再生はあり得ないのであります。
 御承知のように、県都甲府市の中心市街地では、人通りの減少や商店街の空洞化など、極めて深刻な状況が続いております。
 このような中、甲府市では、昨年三月、「甲府市中心市街地活性化基本計画」を策定し、市の活性化の全体イメージの一つとして、近世を引き継ぐ現代の城下町を掲げており、甲府城周辺を「歴史を感じさせる街」として整備するとしております。
 また、甲府商工会議所でも、この三月、「おもてなシティ甲府」と題する甲府TMO構想を発表し、「甲府らしさ創出事業」として、文化と歴史のある街並みの整備計画の策定を提案しております。
 そして、その参考事例として、彦根城の城下町を意識した日本瓦葺き切り妻屋根に漆喰の白壁、木製の格子戸などに統一した風情のある町の整備を行った彦根市の事業を取り上げております。
 私は、現在整備が進められている甲府城が、まさにこうしたまちづくりの核になるものであり、だからこそ、その整備が稲荷櫓の建設で完了することがあってはならないし、また、甲府城の存在が、これに続く観光などの活性化対策に対しても、現在の通過型、日帰り型観光地から宿泊型、滞在型観光地へ変貌する大きな機会となり、単に甲府市だけの問題にとどまらず、広く観光立県山梨を目指す全県的な問題だと思うのであります。
 そこで、幾つかお尋ねいたします。
 まず、甲府城稲荷櫓の復元工事が、過日の報道によりますと、七カ月程度予定よりおくれているとのことでありますが、その内容と今後の見通しはどうか。
 また、天守閣の復元や大型観光バスが駐車可能なスペースの確保など、現在の整備計画に続く第二次整備計画をどのように考えていくのか。
 さらに、甲府城を初めとする歴史的資産をどのように活用して、観光の振興やワイン、宝石など地場産業の振興を図っていくのか。
 また、甲府市中心商店街の活性化にどう結びつけていくのか、知事の御所見を伺います。
 次に、信玄公祭りの見直しについてお伺いします。
 信玄公祭りは、スタートしてから三十有余年、今日では、本県の春の観光の幕あけを告げる祭りとして、県民はもとより県外から訪れる多くの観光客に親しまれているところであります。
 しかしながら、甲州軍団出陣をメインとするこの祭りも、毎年、さまざまな工夫を加えることで、軍団祭りとしては全国一と言われるほど荘厳かつ勇壮な祭りに成長してきてはおりますが、その一方で、祭りにとって一番大事な観光客を含めた祭りへの参加・体験型とも言える人々の盛り上がりや熱気は、「青森のねぶた」、「徳島の阿波踊り」など全国名のある祭りに比べ十分とは言えない状況にあると思います。
 しかし、来年からは民間主導により、本県を代表する民謡「武田節」を題材とした全国音楽祭も開催されることなど、信玄公祭りを盛り上げるさまざまなイベントが企画されているとも伺っております。
 今から九年前に、高知の「よさこい節」と北海道の「ソーラン節」を合体して始まった北海道札幌の「YOSAKOIソーラン祭り」は、今や、三十三都道府県合わせて四十チーム、四万人が参加する全国ブランドの祭りへと成長したということであります。
 私は、「武田節」もその歌い手を全国に広げ、そうした音楽祭をよりメジャーな祭典に成長させていくことが必要であり、これら広い意味での観光資源の一つ一つに息吹を与え、一層の有効活用を図っていくことが、県外観光客への大きなアピール・誘客対策にもなり得るのではないかと思っております。
 また、来年放映されるNHKの大河ドラマでは、加賀百万石の礎を築いた前田利家が取り上げられることから、再び戦国ブームが沸き上がるものと思われます。
 華やかな金沢に負けないよう、信玄公祭りもさらにグレードアップする必要があります。
 例えば、信玄公祭りにおいても、会場となる甲府城広場や平和通りに桟敷席を用意する等のサービスも必要ではないかと考えます。
 こうした中で、県においては、先般、県政への提言の広場において、この課題をテーマとし、広く県民の意見等を募ったところでありますが、民間ベースでの信玄公祭り検討会議においても見直しを行っていると聞いております。
 そこで、信玄公祭りについて、知事はどのようなお考えか、御所見をお伺いいたします。
 次に、県立看護大学大学院の開設と養護教諭の養成についてお尋ねします。
 近年、少子・高齢化の進展や医療技術の高度化などにより、保健・医療・福祉に関するニーズが複雑・多様化する中で、看護に対する社会的要請は、量から質へと転換してきており、県立看護大学に対しましても、高度な知識を備えた実践的な看護職員の養成のみならず、より高度な専門教育や看護職員の再学習機能の充実・強化などが求められております。
 このため、来年四月には、看護大学に大学院が設置され、より専門性の高い看護職の育成が図られるとともに、保健・医療に関する地域的な課題についての教育・研究が開始され、本県の看護教育の水準がより一層向上するものと、私も大いに期待しているところであります。
 現在、大学院の開設に向け、諸般の準備が進められ、大学院施設としては、大学の建物の一部改修により対応するとのことでありますが、大学院の教育や研究に必要な施設として、十分な整備ができるのか、心配しているところでもあります。
 そこで、県立看護大学の大学院の開設に向け、教員の確保を含め、どのような取り組みを行っているのか伺います。
 また、一方では、本県の養護教諭養成をも担ってきた県立高等看護学院が、本年三月に閉院したところですが、その役割を引き継いだ看護大学では、カリキュラムの再編上困難であるという理由から、一種免許の資格を有する養護教諭養成の教育課程は設けず、当面、養護教諭二種免許が取得できる保健婦の養成にとどめたと聞いております。
 現在、県内での養護教諭の養成は、山梨大学及び同大学と単位互換を実施している山梨医科大学が行っているところであります。
 県内の教育現場などからは、今後も実践的な看護の素養を身につけた養護教諭養成の拡大が必要であるとの声もあります。
 そこで、看護大学においても、養護教諭一種免許が取得できるよう、山梨大学との単位互換をすべきと考えるところであり、また、将来、看護大学においても、養護教諭養成の教育課程を設けるべきだと思うのですが、あわせてお伺いいたします。
 次に、県立女子短期大学の将来構想についてお伺いいたします。
 今、我が国の高等教育機関は、大きな転換期を迎えております。
 大学生の学力低下の問題の一方、多くの大学、短期大学が定員割れの問題に直面しており、時代の要請に沿った学部・学科への転換や入試制度の多様化など、さまざまな生き残り策を模索していますが、今春定員割れの私立大学は全体の三割、私立短大では半数以上に達しているとのことであります。
 一方、本年六月、文部科学省は、大学の構造改革の方針を発表し、国際競争力のある大学育成のため、国立大学の大胆な再編統合や独立行政法人への早期移行などの考えを示しました。
 現在、統合を決めたり、検討中の国立大学は、全国に先駆けて来年十月の統合を目指している山梨大学と山梨医科大学を含め十四組にも上るということであり、また、東京都では、都立大学、科学技術大学、保健科学大学、都立短期大学の四大学を総合大学に統合し、新大学は独立行政法人とすることを石原知事が発表いたしました。
 こうした中、県では、昨年度、検討委員会を設置し、県立女子短大の将来のあり方についての検討を進めており、現時点では、男女共学四年制大学へ転換することが望ましいとの意見が大勢であると伺っております。
 時代が大きく変化した現在、県立女子短大の大学としてのあり方を見直す必要性については、私も大いに理解している者の一人でありますが、単に男女共学の四年制の大学にすれば学生が集まるという時代ではないわけであります。
 大切なことは、どのような人材を養成するのかという明確なビジョンを持って、県立大学でしかできないような個性や魅力を打ち出すことであると思います。
 そして、このためには、どんな学部や学科を設置するのかが極めて重要になると認識しております。
 今、全国的に国際系や情報系の学部・学科については、ある種のブームのように設置されていますが、例えば、看護大学と統合し、看護と福祉を学べる特色ある大学として、今後の高齢化社会を支え、県内の医療・福祉に貢献する人材を養成することや、地場産業振興の視点から宝石研磨やデザインに関する学科などを加えた、本県ならではの個性豊かな総合大学が必要ではないかと思います。
 大学の運営には多大な財政負担が伴うわけですから、県としても検討委員会や県議会の意見等も踏まえる中で、主体的に山梨の将来にとって真に必要な大学とは何か、また、その学部学科のあり方についても十分に検討し、県立女子短大の将来像を県民にわかりやすく示すべきであります。
 そこで、現在、検討委員会では、学部学科のあり方を含め、目指すべき大学像について、どのような検討が行われているのかお伺いいたします。
 次に、狂牛病対策についてお尋ねします。
 今年九月に、我が国初の牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病の牛が発見されて以来、牛肉の安全性に対する消費者不安が広がり、関係業者等にも深刻な影響が生じております。
 現在、国や県では、国産牛肉の安全性の確保を図るため、緊急の各種対策に取り組んでおります。
 また、本県議会におきましても、県民の不安を解消し、食肉の安全性を確保するため、去る十月十一日に衆議院議長を初め、内閣総理大臣などに「狂牛病対策に関する意見書」を提出したところであります。
 このような中で、十月十八日から屠畜場での全頭検査が開始され、安全な牛肉を供給する体制がとられてから一カ月がたち、ようやく牛肉の消費は、徐々にではありますが、回復の兆しが見られていたところであります。
 しかしながら、十一月二十一日には北海道猿払村の、今月二日には群馬県宮城村の、いずれも酪農家が出荷した牛から、国内二頭目、三頭目の狂牛病が確認されました。
 欧州で拡大した経過に照らし合わせると、今後も発見される可能性も高いとも言われております。
 感染原因が解明されないままでは、国及び県がいくら国産牛肉の安全性を訴えても、消費者は不信感を払拭できず、牛肉の消費量は再び落ち込むことが予想されます。
 このような状況の中で、農家は依然として牛肉価格が回復しないため、生産コストを下回っても販売せざるを得ず、その経営はますます悪化していると聞いております。
 また、食肉店や焼肉店の客足もさらに遠のき、店を閉めざるを得ないところも出ている状況が報道されております。
 そこで、感染経路の究明や消費者が最も心配している牛肉の安全性の確保など、風評被害を受けている国産牛肉の信頼の回復や食肉店などの経営安定について、どのような対策を考えているのかお伺いいたします。
 次に、社会体験を含む教員の研修の充実についてお尋ねします。
 今日、完全学校週五日制の実施が目前に迫る中、みずから学び、みずから考える力の育成や、いじめ、不登校、問題行動への対応など、学校教育をめぐるさまざまな課題が山積しております。
 これらの諸課題に対応するため、教育に直接携わる教員にあっては、研修の充実などにより一層の資質向上が必要であります。
 これからの教員は、社会の構成員としての視野を学校の外にも広げ、いわゆる大人の先生になることが必要であり、子供が子供を教えているなどという批判を受けないように、学校以外の民間企業等での実務体験を積み、学校では得られない知識や物の見方・考え方を身につけ、精神的にも充実し、学校現場にその成果を還元していくことが期待されているところであります。
 高知県では、土佐の教育改革の一環として、「教員の資質・指導力の向上」を掲げ、平成九年度から採用二年目の全教員を対象に、六カ月間、民間企業や社会福祉施設等で長期社会体験研修を実施しております。
 そして、時代の流れに応じ、生き残りをかけて変化していく民間企業などから何かを学んできた彼らが、今後学校を変えていってくれるはずと大いなる期待を寄せております。
 もはや、大学に学んだだけの知識で通用する時代は終わりました。
 教育環境が日々激しく変化する中で、教員も学び続けなければ、子供たちの変化についていけなくなっております。
 そこで、県教育委員会においては、今後、教育改革を進めるに当たって、社会体験を含めた教員の研修の充実について、どのように推進していかれるのかお伺いいたします。
 次に、県立美術館の整備についてお伺いします。
 県立美術館は、本県芸術文化の拠点として、大きな役割を果たし、地方の公立美術館の中ではトップクラスの知名度と入館者数を誇っているところであります。
 また、「種をまく人」の購入以来、「落ち穂拾い、夏」「鶏にえさをやる女」などのミレーの名作のほか、国内外のすぐれた作品の収集に努め、所蔵作品が大幅に増加する中で、昨年、本県出身の世界的版画家、萩原英雄氏から、長年にわたり萩原氏が制作した作品や収集したコレクションなど約四千八百点に及ぶ貴重な美術資料が寄贈されたところであります。
 現在、これら多くの所蔵作品を紹介するため、新たな展示施設の整備に向けて計画が進められております。
 このことによって県立美術館の機能が充実し、芸術の森公園の緑豊かな環境に厚みと彩りが加わり、県民の芸術鑑賞やみずからの創作活動への関心が高まるなど、本県芸術文化の一層の振興が図られるものと大いに期待いたしているところであります。
 そこで、今定例会初日の知事説明によると、具体的な予算並びに整備計画が提案されておりますが、どのような考え方に立った内容なのかお伺いいたします。
 最後に、暴走族対策についてお尋ねします。
 県警察においては、暴走族の取り締まりに並々ならぬ努力をされているところでありますが、相変わらず、甲府市近辺では、暴走族が週末の深夜から未明にかけて、山の手通り、甲府バイパスなど幹線道路や甲府工業高校付近の新設道路において、改造オートバイや乗用車でバリバリという爆音を響かせながら、信号無視や対向車線にまで道路いっぱいに広がっての集団による暴走を繰り返し、交通の危険や渋滞を生じさせております。
 しかも、こうしたゲリラ的な暴走が、真夜中の寝静まった時間帯に行われるため、特に道路の近くに住んでいる住民の方々は、爆音で安眠を妨害されるなど大変な迷惑をこうむっておられます。
 また、例年、大晦日から正月にかけては、関東一円ばかりではなく、全国の暴走族が富士北麓を目指して集結し、中央自動車道や富士吉田市内の幹線道路において、「初日の出暴走」と称する暴走を行って大渋滞を発生させたり、不法行為を繰り返しております。
 さらに、全国的には、暴走行為を注意した一般市民を金属バットで殴り殺したり、強盗、恐喝、対立抗争、脱会者に対する暴力事件等を引き起こすなど、悪質・凶暴化しております。
 また、一部には、暴力団との関係も認められるとのことでありますから、単に暴走行為としての結果だけではとらえることができない社会的問題になっていると思うのであります。
 こうした暴走族を根絶するためには、暴走行為は社会悪であることを県民すべてが認識し、地域や学校などとの連携を一層強め、暴走族を許さない社会環境づくりを進めることが必要であると思いますが、それと同時に、暴走族を封じ込める即効薬となるものは、集団暴走事件等の摘発や暴走に使用する不正改造車両の押収など、警察による強力な取り締まりであり、県民の期待するところでもあります。
 そこで、県警察として暴走族対策にどのような方針で取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。
 以上で私の質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。



天野知事

皆川議員の御質問にお答えをいたします。
 ただいまは、ヨーロッパ視察で受けられた人々の祖国や地域を愛する心への感銘や吉田松陰の思想に触れ、山梨をこそ「華」にしなければならない、そのために全力を尽くされるとの御決意を披瀝されながら、県政各般にわたり御質問をいただいたところであります。
 今後とも、真に魅力ある山梨の実現に向けて全力を尽くしてまいる所存でありますので、一層の御支援、御協力をお願い申し上げます。
 初めに、甲府城の整備とこれを活用した観光等の振興策についてであります。
 舞鶴城公園の整備につきましては、平成十四年度の完成を目途に、本年五月からは、稲荷櫓台の修復工事並びに稲荷櫓の建設工事に着手したところであります。
 このうち、稲荷櫓台の修復工事に関し、石垣の解体調査を実施いたしましたところ、裏栗石層の幅が狭いことや、石割れが多いことなどが判明したところであります。
 このため、安定した安全な稲荷櫓台を築く観点から、専門家の御意見も聞き、検討いたしました結果、解体修復の範囲を拡大することとしたことから、新たに約七カ月の工事延長が必要となりましたので、稲荷櫓の完成は、平成十五年中になるものと考えております。
 舞鶴城公園の整備はこれをもって完了することとし、都市公園として全面的に供用していくこととしております。
 今後の整備計画につきましては、地元の熱意も徐々に醸成されつつある中で、地域の活性化への自主的な取り組み状況や完成後の公園の利用状況も踏まえ、関係者や県民の皆様の御意見を伺いながら、検討してまいる所存であります。
 また、歴史的資産を活用しての観光等の振興についてでありますが、歴史的資産であるこの舞鶴城公園を、今後、県民・市民の皆さんがどう利活用し、観光等の振興につなげていくかが課題となるわけであります。
 そのためには、何よりもこうした資産を生かして、集客とにぎわいをつくり出すことが重要であり、地域の歴史や産物、あるいは祭りなどを通じて、そこに住む人々の熱意と努力が結集されることが必要となります。
 その結果が、地域の産業や街の発展へとつながっていくものと考えております。
 こうした意味におきまして、舞鶴城公園を中心に繰り広げられてまいりました信玄公祭りにつきましても見直しが検討されておりまして、多くの人の手で、より感動に満ちた祭りとなりますように期待を寄せているところであります。
 今後とも、甲府市や商工会議所、地元商店街などの歴史的資産を活用した主体的な取り組みを積極的に支援し、地域の総合的な発展を図ってまいる所存であります。
 次に、県立女子短期大学の将来構想についてであります。
 県立女子短期大学につきましては、昨年六月、「将来構想検討委員会」を設置をいたしまして、将来のあるべき姿について、幅広い視点から御論議をいただいているところであります。
 これまで、検討委員会におきましては、男女共学四年制大学への改組転換が望ましいとの意見が主流となってはおりますが、委員の中にもさまざまな意見が残されております。
 こうした中、四年制大学とする場合には、どのような大学を目指すべきかについて、学部、学科のあり方を中心に検討が進められておりまして、県立大学の使命として、地域に役立つ人材を育成すべきとの観点から、最先端の学術的研究を行う大学ではなく、専門的な職業能力が身につく実学重視の大学が望ましいとの方向が確認をされているところであります。
 具体的な学部、学科につきましては、社会福祉士や介護福祉士などの資格が取得できる社会福祉系学部が必要ではないか、看護大学と統合し、看護と福祉をともに学べる学部、学科が望ましいのではないか、幼児教育と社会福祉を一体的に学べる学科が考えられないか、単なる語学教育にとどまらず、国際ビジネス社会などで活躍できる人材を養成する新しいタイプの国際系学部が必要ではないか、県立大学としての個性や特色を打ち出すため、地域政策系やデザイン系などの学科を検討すべきではないかなどさまざまな御意見をいただいているところであります。
 今後、検討委員会では、少子化時代における大学運営の厳しさや国立大学を初めとする大学改革の動向なども踏まえながら、これらの意見を取りまとめ、県立女子短期大学の将来像をお示しいただけるものと考えております。
 県としては、この報告をもとに、県議会を初め県民の皆様の御意見も伺いながら、本県の将来を見据えて、県立女子短期大学をどのように改革していくべきか、十分に検討してまいる考えであります。
 次に、狂牛病対策についてであります。
 牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病につきましては、これまでに国内で三頭の発生が確認されております。
 感染原因についての国の中間報告によりますと、農家は感染牛に、感染源とされる肉骨粉は与えてはいなかったが、飼料等の製造段階で混入した可能性は否定できないとのことであり、引き続き調査が行われているところであります。
 本県では、牛肉の安全性を確保するため、十月十八日から食肉衛生検査所におきまして、食肉処理を行うすべての牛を対象にしたスクリーニング検査を実施しており、十二月八日まで千百二十七頭すべてについて安全が確認されております。
 さらに、狂牛病感染の有無にかかわらず、危険部位とされる脳・脊髄・眼・回腸遠位部は除去して焼却をいたしております。
 また、家畜保健衛生所におきましては、農場で飼育されている牛のうち、狂牛病が疑われるものがある場合には検査を実施し、すべて焼却をすることにいたしております。
 加えて、国においては、肉骨粉の輸入、肉骨粉を含む飼料の製造及び出荷を禁止したところであります。
 こうした二重、三重のチェック体制により牛肉の安全性の確保を図っております。
 しかしながら、消費者の不安は必ずしも解消されておらず、牛肉の需要が低迷し、生産農家や関係業者にも大きな影響を与えております。
 このため、県農業祭りや県民の日等で検査後の牛肉の試食やPRを行いますとともに、県のホームページや広報紙等あらゆる機会を通じて、消費者へ牛肉の安全性について正しい知識の普及を図り、牛肉への信頼回復に努めているところであります。
 さらに、消費者に、牛の個体番号や性別、生年月日、生産者、与えたえさ、狂牛病検査結果などの情報を届けるため、本県独自の産地・枝肉情報表示制度も導入することにいたしております。
 また、生産者対策としては、牛飼育農家に無利子の運転資金の融資をいたしますとともに、牛肉価格の暴落に対しましては、国が実施する所得補てん事業が発動されております。
 さらに、食肉店等の経営安定対策としては、十一月二十日に中小卸・小売業の組合や商工指導団体等との情報交換会を開催し、厳しい経営実態を把握しましたので、その支援を行うために、経営安定化特別融資、小規模企業緊急支援融資などを創設することといたしております。
 今後とも、牛肉の安全性を確保することを基本として、各種の対策を講ずることによりまして、県民の皆様に安心して牛肉を食べていただけるよう万全の体制で取り組んでまいる所存であります。
 最後に、県立美術館の整備についてであります。
 県立美術館につきましては、開館から二十三年を経過し、収蔵作品の増加などにより、県民の皆様に広く紹介していくためには、展示のスペースが十分とはいえない状況となっております。
 こうした中で、萩原英雄氏からの貴重な美術作品の寄贈を契機といたしまして、新たに展示などのための施設を整備することといたし、基本計画の策定を進めてまいったところであります。
 基本計画におきましては、県立美術館の新たな魅力と機能を高めるために、展示部門の整備とともに、教育普及や利用者サービス部門の充実を図ってまいることといたしております。
 施設の内容につきましては、萩原作品を初め、版画を中心とした現代美術を紹介する常設展示室、ワークショップや美術講座などを行う総合実習室や一般利用が可能な資料閲覧室、来館者が利用しやすいミュージアムショップや憩いの場としてのカフェテリアなどを整備することとしております。
 建設規模につきましては、延べ床面積三千五百平方メートル程度を目安に検討いたしているところであります。
 また、建設場所につきましては、芸術の森公園の景観との調和や既存施設とのバランスと効率的な連携を考慮いたしまして、美術館の南側としたところであります。
 今後は、こうした考え方に立って、建物の実施設計を進め、県民の皆様に一層親しまれる開かれた美術館として整備してまいる所存であります。
 以上をもって私の答弁といたします。その他につきましては、担当の部長から答弁をいたさせます。



    福祉保健部長

 皆川議員の県立看護大学大学院の開設と養護教諭の養成についての御質問にお答えいたします。
 県立看護大学大学院は、学部教育を基礎として高度な教育研究を進め、より専門性の高い実践的な看護職員を育成するため、明年四月に開設することといたしたところであります。
 大学院施設等の整備につきましては、学生棟を改修する中で、大学院レベルの教育に必要な十分なスペースを有する講義室や研究室等を設置するとともに、看護環境が患者に与える影響を研究するための行動生理科学実験室などを整備しているところであります。
 教育体制につきましても、県民のニーズにこたえられる地域生活看護学などの教育課程を設けるとともに、特色ある教育・研究を進めるため、現在の大学教員に加え、新たに三名の教員を増員するなど、大学院として十分な教育環境の整備に取り組んでいるところであります。
 次に、看護大学における養護教諭の養成につきましては、来年四月から養護教諭一種免許の取得ができるよう、現在、山梨大学と単位互換について協議を進めているところであります。
 このことにより、看護大学においても養護教諭の養成が図られるものと考えております。
 また、看護大学における養護教諭養成の教育課程の設置につきましては、単位互換による養成状況や学生及び県内の教育現場におけるニーズなどを踏まえる中で検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。



    商工労働観光部長

 皆川議員の信玄公祭りの見直しについての御質問にお答えいたします。
 信玄公祭りは、昭和四十五年に「甲州軍団出陣絵巻」として開催されて以来、さまざまな関係者の御努力のもとで、春を告げる県内最大の祭りとして大きな成果を上げてまいりました。
 しかしながら、社会情勢も大きく変化する中で、より魅力ある祭りへの転換が望まれております。
 このため、県政への提言の広場のテーマとするなど、幅広い県民の皆様の声も伺ってまいりました。
 この中では、県内各地で開催する信玄公ゆかりの祭りとの連携、みこし、踊り、花火による演出、武田節の全国へのアピールなど、多くの御提言や御意見をいただきました。
 こうした御意見を参考に、「信玄公祭り検討会議」におきましては、祭りを大幅に見直すこととし、四月を信玄公マンスリーと位置づけ、関連する祭りやイベントとの連携、「甲州軍団出陣」ルートの延長、祭りエリアの拡大、県内の物産を一堂に集めた「賑わい城下町」の新設などの方向づけがなされたところであります。
 現在、「信玄公祭り実行委員会」におきまして、この基本方向に沿い具体化に向け取り組みが進められております。
 また、民間有志の方々が中心となって計画されました「武田節全国音楽祭inやまなし」第一回大会も着々と準備が進められておりまして、この祭りとの相乗効果と武田節の全国への発信も期待されております。
 祭りは、地域の人々がみずから汗を流し努力を重ねながらつくり上げ、それが感動や喜びにつながり、また、観客にもその感動が伝わり、さらに盛り上がっていくものというふうに考えております。
 そうした祭りの原点に立ち返った新たな信玄公祭りとなりますよう期待するとともに、祭りのにぎわいやさまざまな交流を通じ、地域の人々を初め、参加者の熱意やエネルギーを本県観光振興はもとより、地場産業の振興や中心商店街の活性化へとつなげてまいりたいと考えております。
 以上でございます。



    教育長

 皆川議員の社会体験を含む教員の研修の充実についての御質問にお答えします。
 学校教育の担い手である教員には、社会の変化や教育上の課題に適切に対応できる、豊かな見識と指導力を培い、広い視野から学校教育に取り組むことが一層求められてきております。
 このため、県教育委員会といたしましては、新採用教員を対象に、幅広い社会性が身につけられるよう、企業や福祉施設での清掃、販売、介護などの実務体験をさせる研修を実施しております。
 また、平成八年度からは中堅教員を中心に、一年間にわたりデパートやホテル、報道機関、老人ホームなどで、組織運営や人間関係のあり方などを学ぶ「民間企業等派遣研修事業」を実施しているところであります。
 研修を終えた教員から、「学校とは別なそれぞれの社会の厳しさを実感した」「教育に対する使命感を改めて確認する機会となった」など、体験を通してこそ得られる貴重な報告がなされております。
 さらに、一般教員を対象にした体験報告会を通して、こうした成果を広く共有する中で、各学校での実践に生かせるよう努めているところであります。
 今後におきましても、五年及び十年目の教職経験に応じた研修会や管理職のマネジメント能力の育成研修会に、企業経営者の招聘や社会体験の導入を図るなど、研修の充実により一層取り組んでまいる所存でございます。
 以上でございます。



   警察本部長

 皆川議員の暴走族対策についての御質問にお答えをいたします。
 御質問のように、暴走族は週末の深夜から未明にかけ、幹線道路で爆音が出るように改造された二輪車を使って、いわゆるギャラリーと称される仲間の四輪車とともに、集団暴走したり、住宅街では、これら不法改造二輪車を使って、ゲリラ暴走を繰り返しております。
 また、大晦日から正月にかけては、「初日の出暴走」と称して、全国の暴走族が富士北麓を目指して集結することが、毎年恒例のようになっております。
 警察としては、これら暴走族による集団暴走事案等を摘発するため、年間を通じて週末の夜間における取り締まりに当たっているところであります。
 本年は、十一月末までに刑法犯・道路交通法令違反等で五百六十四名を検挙し、うち四十一名を逮捕、不法改造車両四十八台を押収、三グループを解体させております。
 しかしながら、最近の暴走族は、ナンバー隠し、覆面、お互いの携帯電話を利用して情報交換を行い、頻繁に暴走ルートを変更するなど、さまざまな取り締まり逃れの手段を講ずるほか、金属バット等を携帯して、一般ドライバーを威嚇し、襲撃事件を敢行するなど、悪質、凶悪化しております。
 このため、十一月二十九日には、山梨県道路交通法施行細則を改正し、二輪車で金属バットや鉄パイプ等を携帯し、または振り回す行為を規制したところでもあります。
 また、「初日の出暴走」対策につきましては、年末の三十日から正月の六日まで八日間、県内警察官の大量動員を行うとともに、関東近県から警察部隊の応援を得て、県内各所で検問や警戒取り締まりを行い、暴走行為の封じ込めを図ることとしております。
 今後とも、地域や関係機関団体と連携して、暴走族追放対策を講じるとともに、暴走族による不法行為の摘発や不法改造車両の押収、新旧の世代交代が激しいため、構成メンバーの把握が困難な暴走族グループの実態解明に努め、暴走族組織の解体を積極的に推進してまいる所存であります。



   皆川議員

 ただいまは全般にわたりまして前向きな御答弁をいただけたものと思いますが、一点だけ再度お伺いをいたします。
 教員の研修に関してでありますが、NHKのテレビ番組で、「課外授業、ようこそ先輩!」というのがありました。
 これは各界で活躍している人たちが、母校の小学校の教壇に立ちまして、自分の専門とする分野や、あるいは社会体験、自分の人生体験等をみずから語り、これは教科書にない大変型破りな授業を展開するわけでありますけれども、それを見た子供たちの目が実に生き生きと輝いていたのであります。
 これはもちろん本県でも小学校から高校まで地域で活躍してくださっている人たちを対象に、「社会人講師」という形でお招きして実際にやっていると伺っておりますが、こうした社会経験を踏まえた教育の必要性を、こういうことで改めて痛感しているところであります。
 私は、教員には、感受性豊かな若いうちにこそ幅広い社会性を身につけてほしいと思うものであります。
  そこで、私が質問の中で取り上げました先進的な取り組みを行っております高知県では、非常に多くの教員が「社会体験研修」を受けて、大きな成果を上げていると伺っておりますが、本県での実情はどうなのか、具体的な人数も含めて再度この点をお伺い申し上げます。



    教育長

 皆川議員の再質問にお答えいたします。
 先ほど答弁いたしました本県の民間企業と派遣研修事業につきましては、平成八年度から始めまして、本年までに小、中、高合わせまして五十四名の教員を県内企業に一年間派遣研修させております。
 業種は、製造業、販売業、ホテル業、報道機関、サービス業、福祉関係、金融業等多岐にわたっております。
 また、初任者研修や経験五年、経験十年の教員を対象にします研修におきましては、必ず社会体験の研修を入れるということに位置づけておりまして、積極的に今後も社会体験研修を取り入れるよう推進を図ってまいりたいと考えております。
 なお、参考まででございますが、平成九年度の教員採用から、採用年齢を十年引き上げまして、三十九歳までと拡大いたしました。その結果、来年度の採用内定者を例にとりますと、新卒の内定者は一五%、既卒者が八五%と、既に何らかの職業経験をしている方々が非常に多い状況でございます。
 以上でございます。