TOPに戻る。
病名別解説
胆石,胆嚢炎


病名別解説に戻る

電話:055-222-7018




胆石症・胆嚢炎に対する漢方治療の位置づけ
近年中国の長沙で発掘された馬王堆(まおうたい)の遺跡の婦人が胆石症を患っていたらしいとのことで、胆石症の歴史はきわて古いものであろう。

胆石融解剤の開発など内科的治療の可能性が出てきたが、診断が確定すれば多くの場合外科の手にゆだねることになる。この意味で漢方の対象は限定されることになるかもしれません。
 結石が大きいほど排出が困難なことはもちろんであるが、漢方薬でどの程度の大きさまで排出可能かということは個人差があって定かではない。自覚症状があまり強くない場合、患者はなかなか手術を納得せず、当分の間内科治療ということになる。その中で漢方薬を希望する者も多く、漢方薬を使用する意義があると思う。


胆石---美食家に多い
胆石症は、胆嚢の中に石ができる疾患で、富裕階級の人や美食の習慣のある人に多く、 また太った人、妊娠をくり返した婦人に多くみられる傾向がある。
 
中年以後の人は、十五人に一人の割合で胆石をもっているといわれ、婦人は男子の二〜三倍多いとされている。 その理由として、妊娠中、子宮が胆嚢を圧迫するために、胆汁が爵滞しやすいうえ、コレステロールが増えているので、胆石がでやすいとされている。これと同じことが、美食、ことに脂肪の多い食物をとる場合にもいえる。また婦人は、コルセットやスカートや帯をきつくしばることにより、肝臓の裏側にある胆嚢を圧迫することになり、 胆石症になりやすいといわれている。

症状は、胆石発作と呼ばれる肝臓部のはげしい痛みで、それに伴って、吐き気、嘔吐があり、痛みが右肩より右腕のほうへ 放散するのが特徴である。甚だしいときには、痛みのために、失神、うわごと、痙攣などをおこし、しばしばこういう発作を繰り返す


胆嚢炎---高熱を発する
胆嚢炎という病名は、胆石症としての痛みより、むしろ発熱がおもな症状になっている患者につけられるのが普通である。
 症状は、急に寒気を伴って高い熱が出ることが多く、平熱から急に39〜40度の高熱が出て短時間に解熱するという熱型を繰り返すのが特徴である。 たいてい右上腹部に痛みを伴う。






胆石・胆嚢炎

柴胡桂枝湯
(さいこけいしとう)
大柴胡湯(だいさいことう)



@柴胡桂枝湯:「解説」(金匱要略)
雑病として応用範囲が広く、心下部を中心とし、心腹卒中痛(心下部がにわかに痛む)者に用いる、胆嚢炎、膵臓炎、胆石症、肝炎などの守備範囲が広い、茯苓、良姜枳実(良枳湯)の加減にて使用する、体質的証に随って応用する。

柴胡桂枝湯「構成」
柴胡(さいこ): 半夏(はんげ): 桂枝(けいし):黄今(おうごん): 人参(にんじん): 芍薬(しゃくやく): 生姜(しょうきょう): 大棗(たいそう): 甘草(かんぞう):



A大柴胡湯:「解説」(金匱要略)
消化器の疾患に用いられる事が多く、肥満型、体力ともに充実し、神経疾なタイプが多い、大黄を含む製剤によって、下痢腹痛の起こりやすい人は大黄を加減しなければならない、証に随って応用する。

大柴胡湯「構成」
柴胡(さいこ):半夏(はんげ):黄今(おうごん): 芍薬(しゃくやく):大棗(たいそう):枳実(きじつ):大黄(だいおう):生姜(しょうきょう):






参考になる処方名

▼素地を改善する‥漢方処方

●大柴胡湯 ●大柴胡湯去大黄 ●柴胡桂枝湯 
●解労散 ●小柴胡湯 ●茵ちん蒿湯
●熊胆 ●解急蜀椒湯 ●枳縮二陳湯


発作を鎮める‥漢方処方

●芍薬甘草湯 ●大建中湯
●芍薬甘草附子湯


 
 ・・・・上記の処方は、参考漢方処方です・・・


                     病名別解説に戻る

坂本薬局のトップに戻る