| @ 血管を拡張し、血流を増やす作用 |
まず第一に、丹参には、心臓や脳への血流量を増やし、しかも心筋での酸素消費量を低下させる作用があります。丹参の注射液をモルモットに注射したところ、冠状動脈の血流量は25%増加、ウサギでも20.4%増加するという結果がでました。
また丹参には、動脈だけでなく、微小循環を改善する作用もあります。
中国医学科学院薬物研究所植物化学研究室などの化学分析では、血液をサラサラにする成分は、丹参のなかでも水溶性の「丹参素」、なかでもジヒドロキシ類によるものであることが明らかになっています。 |
| A 血圧を安定させる作用 |
丹参がゆるやかな降圧効果を引き出すことはよく知られていますが、その有効成分が何であるかは長くわかっていませんでした。
九州大学薬学部生薬教室と富山医科薬科大学和漢研究所の共同研究班は、その成分が丹参のなかに含まれるリソスペルミン酸Bのマグネシウム塩であることをつきとめました。
ここでぜひ強調しておきたいのは、血圧を下げるといっても、急激には下がらない、という点です。
高血圧症の治療薬である降圧剤には、血圧が正常範囲より下に落ちすぎるという副作用がよく問題になりますが、丹参製剤にはその心配がありません。 |
| B 血栓形成を防ぐ作用 |
血栓予防の研究で知られる東邦大学の五十嵐紀子先生と山口了三先生が冠心二号方を使って調査したころ、木香以外のすべての生薬に、血小板凝集抑制作用があることが確認されました。 |
| C 血液粘度を下げる作用 |
全身の細胞に酸素を運ぶ赤血球は、特別の弾力性と変形能力があり、細かい末梢血管でも形を変えながら、すりぬけて通れるようになっています。健康な人の赤血球は、血液の全体積の40%以下ですが、その比率が40%を越えると赤血球の変形能力が落ちて、血液が粘り始めます。
高血圧や糖尿病など生活習慣病の人の血液はこのような状態です。
丹参は赤血球が本来もっているこれらの能力を回復して、ドロドロの血液をサラサラに改善する作用があります。 |
| D 血管を若く保つ作用 |
血管内部が硬く狭くなる動脈硬化が、コレステロールや中性脂肪など血液中の脂質成分の割合が高くなる高脂血症によって促進されることはよく知られています。
丹参には、血液中のコレステロールや中性脂肪を取り除く作用があり、血圧を下げる作用とあいまって、動脈硬化の予防と改善に威力を発揮します。
特に、狭心症や心筋梗塞、脳卒中のもとになる「粥状動脈硬化」(血管内壁にコレステロールなどがたまり粥状のかたまりをつくった結果、血液の流れが阻害されて起こる動脈硬化)を取り除く作用は、丹参ならではのものといえます。 |
| E 抗酸化作用 |
人は食物から得た栄養物を、酸素によって燃やしてエネルギーをつくりだしています。
酸素は人体にとって不可欠なものですが、分子としては不安定なため、反応性の強い活性酸素(フリーラジカル)が体内に発生しがちです。
活性酸素は細胞膜を容易に酸化して過酸化脂質を生じ、動脈硬化や様々な成人病の原因になるといわれています。さらにDNAを傷つけるため、老化の原因ともなります。
この活性酸素の発生を抑制する抗酸化剤の一つにビタミンEがあり、若返りのビタミンといわれていますが、丹参の抗酸化作用はビタミンEをはるかに上回るという報告もあります。
このように丹参は、血液をサラサラにするだけなく、老化防止の予防に応用されます。 |