TOPに戻る。
病名別解説
手掌角化症・肌荒れ


病名別解説に戻る

電話:055-222-7018



手掌角化症について

◆昔は鵞掌風(ガショウフウ)といった、アヒルの掌の如く硬くざらざらしているからである。従来は女性ホルモンの内分泌異常が主要因とされてきたが、近頃は洗濯・炊事・拭き掃除などによる外的刺激による主婦湿疹と考える向がある、妙齢の婦人に比較的多い。
 よく使う側の手指の未節腹面の皮膚がまず乾燥して魚の鱗の様になり、質があらくざらざらしてくる、紅潮落屑を示し、次第に光沢を生じ指紋がなくなり、深い裂目を作って亀の甲羅のようになる、次第に拡大して手掌に及び、さらに他の手に拡がる、毎年冬になると悪化する、水仕事や土・藁仕事がよくない、ゴム手袋の下に木綿の手袋をはめるがよい。





手掌角化症・肌荒れ

温経湯(うんけいとう)


@温経湯:「解説」(金匱要略)
 金匱要略の婦人雑病篇に、肌,魚鱗の若く手掌煩熱、口唇乾燥とある、女性らしい皮膚を保つのに、最適な処方である。ヨクイニンなど合わせて服用すると、手掌角化症の8割はこの処方でうまくいくまた皮膚は内臓の鏡である、当然内分泌のバランスの悪さも漢方で同時に改善をはかる事が出来る、女性に限らず男性にも、症状に随って応用する。

温経湯:[構成]
呉茱萸(ごしゅゆ): 半夏(はんげ): 麦門冬(ばくもんどう): 川弓(せんきゅう): 芍薬(しゃくやく): 当帰(とうき):人参(にんじん): 桂枝(けいし):阿膠(あきょう):牡丹皮(ぼたんび):生姜(しょうきょう):甘草(かんぞう):



<温経湯の条文>
温経湯を皮膚疾患に用いるは、金匱要略の婦人雑病篇の条文による。
「婦人の病は虚に因って積冷結気し、諸々の経水断続を為し、
歴年有るに至って、血寒え、胞門に積結し、寒、経絡を傷る・・・
 肌、
魚鱗の若く、時に男子に著(つ)く、止(ただ)に女身のみに非ず、
下に在っては未だ多からず・・・」
 





肌荒れ・皮膚の乾燥



加味逍遙散合四物湯(かみしょうようさんごうしもつとう)



@加味逍遙散合四物湯:[解説](内科摘要)
主として中年以降の更年期様などの、皮膚の乾燥皮膚のシミ、色素沈着、疲労、肩こり、頭痛、めまい、不安、不眠、冷え、のぼせ感、怒りなど多様な症状を訴えます。多くの場合、肝気が高ぶり、癇の失調によるよる皮膚の乾燥、黒ずみを、此の処方に物湯、香附子、蘇葉、益母草を加えると気分の鬱ぎがとれ、顔の浮腫がとれ、肌が潤い、皮膚機能も良くなり老化を防ぎます、症状に随って応用する。

加味逍遙散合四物湯加減:[構成]
当帰(とうき): 芍薬(しゃくやく): 柴胡(さいこ):朮(じゅつ): 茯苓(ぶくりょう):薄荷(はっか): 甘草(かんぞう): 牡丹皮(ぼたんぴ):梔子(しし):生姜(しょうきょう):川窮(せんきゅう):地黄(じおう):
<益母草の効果>
昔から益母草を顔の薬に加えると「美容の良薬」になると言われています。
この理由は、顔のマッサージが皮膚の血行をよくする美容術として
行われているように、益母草が皮膚の血行を良くし、
美容効果を発揮するからです。
マッサージより優れているところは、皮膚の浮腫をとる作用があることです。
浮腫がとれると顔が引き締まり(小顔になり)、シワを防ぎます。

益母草の成分には抗炎・抗菌作用があり、毛穴の炎症を防ぎます。
皮膚の荒れやシミの予防になります。その他、肌に潤いを与える作用など、
何れも皮膚の荒れや黒化を防ぐのに役立ちます。






<紫雲膏>
◆華岡青州の創製した軟膏皮膚、枯燥を潤すから,指掌角皮症によく用いられる.一名を潤肌膏ともいい,水虫魚の目たこなどにもよい.成分は、紫根:当帰:胡麻油:蜜蝋などを含有し、
良質の紫根を原料にした物が良い。
 



参考になる処方名


●温経湯 ●加味逍遙散合四物湯
 ●桂枝茯苓丸 ●紫雲膏  ●黄連阿膠湯 


 ・・・・上記の処方は、参考漢方処方です・・・・


                       病名別解説に戻る

坂本薬局のトップに戻る