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病名別解説
肥満・脂肪太り
ダイエット



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肥満・ダイエットについて
 
脂肪が過度に蓄積して、体重がいちじるしく増加した状態を肥満というが、脂肪が体重の30%以上を占める場合、肥満と呼ばれます。
 体重による肥満の測定は一般に 身長(cm)-100 = 標準体重 が用いられるが、日本人の場合、これより10%少ないものを標準とするとよいとされています。すなわち標準体重(kg)=(身長(cm)-100)×0.9の式を用いるとよい。

肥満の重大な原因の一つは、エネルギー出納の不均衡です。つまり身体に必要なエネルギー量以上の過剰なカロリーが摂取されることである。通常、食欲がカロリー摂取を自然に調節しているので肥満は起こらない。ところが何らかの原因で食欲が以上に亢進し、多量の食物を摂取すると肥満が起こってくる。
 しかし近年になり、脂肪組織自身の代謝の異常が肥満の重要な原因として注目されるようになってきたがいまだ十分な解明はされていない。

肥満の原因を便宜上、外因性、内因性とに大別して述べると次のようになる。

外因性肥満は単純性肥満とも呼ばれ、長期間にわたり身体に必要以上の多量の栄養を摂取した場合に起こってきます。この場合、内因性要素が関与することが多いとされています。

内因性肥満は (a)内分泌疾患に属するものとして、間脳下垂体系疾患、副腎疾患、性腺疾患によるものなどが含まれます。この他、 (b)神経性原因 (c)精神性原因 (d)遺伝的素因が挙げられます。






 肥満症の症候
症候:疲労しやすい、運動時の心悸亢進、呼吸困難、頭痛、不眠、心肥大、血圧上昇、冠動脈硬化、糖尿病の併発、尿路結石症、胆石症、膵炎、月経不順、不妊、性欲減退。


◆肥満症の漢方の応用
肥満症の漢方治療を行う際には、やはり虚実と気血水が最も大切な考え方になると思われます。肥満症には一般に実証体質の人が多いので下剤が主となり、大黄が使われることが多いと考えられますが、中には虚証の肥満があり、大黄剤が使えない場合もあるので注意しなければならないでしょう。

肥満を改善するための食事療法:薬を服用するより以前に食事療法が大切であると考えられます。米、パン、うどんなどの糖質、バター、クリームのような脂肪と砂糖を多量に含んだ甘いものを制限する必要があります。肥満している人は大食である傾向があり、満腹感を要求することが多いので、実際問題として食事制限は難しいかもしれません。低カロリーな野菜や海草など食物繊維を多く含んだ食品を主体にする、肉類や脂っこいもの甘いものを避ける、玄米食にするとよいことがあります。良く噛んで食べたり、できるだけ身体を動かすことも重要でしょう。

漢方薬を服用する心構え:漢方を服用する際は少なくとも1年以上続けて服用することが必要で、急にやせることは危険をともなうことがあるので徐々に減量することが大切です。
 上述の事柄を継続して辛抱強く実行できれば,肥満改善が達成できるでしょう。






 肥満・ダイエット

大柴胡湯(だいさいことう)
防風通聖散
(ぼうふうつうしょうさん)
防已黄蓍湯
(ぼおいおおぎとう)
桂枝茯苓丸
(けいしぶくりょうがん)
九味半夏湯(くみはんげとう)



①大柴胡湯:「解説」(金匱要略)
体格、栄養ともに良好で、美食や過食のために贅肉がついていたり、運動不足のため皮下脂肪が沈着して中年ぶとりとなっていたり、頭重、肩こり、息切れ、便秘などを訴えるものに用いる。本方を適用していると、腹部膨満が減じ、身体の動きが軽くなり、呼吸も楽になってくる。
胃炎、常習性便秘、高血圧や肥満に伴う肩凝り、頭痛、神経症、肥満症に応用される。

大柴胡湯:「構成」
柴胡(さいこ):半夏(はんげ):黄今(おうごん): 芍薬(しゃくやく):大棗(たいそう):枳実(きじつ):大黄(だいおう):生姜(しょうきょう):



②防風通聖散:「解説」(宣明論方)
本方は齋を中心として病毒が充満し、俗にいう太鼓腹といわれる腹証を呈し、体の代謝されない脂肪を排除するという考え方で使用する。
 本方は肥満体質者、常習性便秘に応用される。
ただし、それほど肥満者でなくても、本方の適用するものも多い。
 食毒・水毒などで、体内の毒素を、皮膚・泌尿器・消化器を通じて解毒・排出する考え方にて、体力充実して、腹部に皮下脂肪多く、便秘がちな高血圧や肥満に伴う肩凝り、動悸、のぼせ、浮腫、便秘、蓄膿症、湿疹、ニキビ、皮膚炎、吹き出物、肥満症に応用される。
現代の食生活の乱れから、肥満傾向にある体質に応用する。

防風通聖散:「構成」
当帰(とうき): 芍薬(しゃくやく): 川弓(せんきゅう): 梔子(しし):連翹(れんぎょう): 薄荷(はっか):生姜(しょうきょう): 荊芥(けいがい):防風(ぼうふう):麻黄(まおう): 大黄(だいおう):芒硝(ぼうしょう): 朮(じゅつ):桔梗(ききょう): 黄岑(おうごん): 石膏(せっこう):甘草(かんぞう): 滑石(かっせき):



③防已黄蓍湯:「解説」(金匱要略)
色白で、筋肉が軟く、水ぶとりの体質で、疲れやすく、汗が多く出て、小便がよく出ず、下肢に浮腫があり、膝関部が痛んだりするのを目標とする、必ずしも汗小便にこだわらなくても良い。中年以後の婦人で、閑のあるが、運動不足な人で、太っていても肌にしまりがない、いわゆる水ぶとりの人で、身体が重く、つかれやすい人に使用する、長期間、服用していると疲れがとれ、大変喜ばれる。

防已黄耆湯:「構成」
防已(ぼうい):黄耆(おうぎ): 朮(じゅつ):生姜(しょうきょう):大棗(たいそう): 甘草(かんぞう):



④桂枝茯苓丸:「解説」(金匱要略)
主として婦人に使用されることが多い。しっかりした体格で、筋肉の発達もよいが脂肪も厚く、かたくしまった体質で、赤ら顔で、腹部も充実しているが、齋の傍の下腹部に抵抗と圧痛(お血)をふれ、月経血が粘り気があり、生理不順、生理痛、顔や上半身ののぼせ、頭痛、肩こり、めまい、どうき、足腰の冷え、下腹の張りを訴えることがある。駆瘀血にて肌を蘇らせる。漢方的に言う、いわゆる「血肥り」に対して使用される。便秘している時は毎日1~2回の通じがあるように大黄を加える。

桂枝茯苓丸:「構成」
桂枝(けいし): 茯苓(ぶくりょう):牡丹皮(ぼたんび):桃仁(とうにん):芍薬(しゃくやく): 



⑤九味半夏湯:「解説」(飲病論)
この方は石崎朴庵の発明の処方にて凡て飲食の不和より水飲を生じ…中年以降肥満し…とある。もちろん若い人にも良い。
処方中の沢瀉、猪苓、半夏、生姜は、体内組織に停滞した水毒を取り除き、水分代謝を改善する、 牡丹皮、桂枝、芍薬、は血液循環を促進して、血液中にある脂質を取り除き、異常な食欲を抑え、お血、血太りを改善する、便秘している時は毎日1~2回の通じがあるように大黄を加え、余分な体毒を排出し、血、水太りに応用する。冷え症には木通、細辛を加える。

九味半夏湯:「構成」
桂枝(けいし):牡丹皮(ぼたんび) 芍薬(しゃくやく): 柴胡(さいこ):半夏(はんげ):茯苓(ぶくりょう):甘草(かんぞう):猪苓(ちょれい):沢瀉(たくしゃ):生姜(しょうきょう):升麻(しょうま):檳榔子(びんろうじ):厚朴(こうぼく):蘇葉(そよう):木香(もっこう):




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参考になる処方名

●大柴胡湯 ●防風通聖散 
●九味半夏湯 ●防已黄蓍湯 ●通導散 
●桃核承気湯 ●桂枝茯苓丸

・・・・上記の処方は、選択しえる参考漢方処方です・・・・



     
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